成長サポートの事例の1つが、カウンセリング制度だ。新入社員を含む全ての社員は、直属の上司とは別に、マネージャー以上の社員がカウンセラーとなり、中長期的な視点からキャリア構築のサポートや業務上の指導やアドバイスを受けている。仕事の目標設定においては、担当プロジェクトなどの短期的なものに留まらず、中長期的な成長プランである「CDP」(キャリア・デベロップメント・プラン)についても、カウンセラーと密に相談しながら行う。
目標の実現度合いに関するフィードバックは日常的に行われており、新入社員の場合は少なくとも月に1回はカウンセリングを受け、カウンセラーは社員の成長のためのサポートを惜しまない。
現在300近くも運用
驚くほど充実した研修プログラム
また、驚くほど充実しているのが研修プログラムである。「独自の研修プログラムは、e-ラーニングと対面式を合わせて現時点で300近くも運用されている」(岩井氏)という。コースは、基本的なビジネスマナーやコンサルティングのノウハウから、クラウドサービスなどのITスキル、ダイバーシティやサステイナビリティなどマネジメントに関する教養、さらにはリベラルアーツまで、多種多様。講師は外部に依頼することもあるが、多くは社内公募に応募した社員が務める。「学び」の機会は存分に与えられているといえるだろう。
一方の評価の仕組みはどうか。評価軸は全社員共通で、半年ごとに賞与を査定するための期間業績評価と、年1回昇進判断を行うための能力評価の2本立てとなっている。期間業績評価はプロジェクトごとの評価となるが、期初に社員と上司がよく話し合い、双方納得の上で目標が設定される。そして期末の評価時には、直属の上司だけでなくカウンセラーの意見も反映した評価が行われる。
また能力評価については、所属組織と参加プロジェクトの上司による多面的な評価によって行われる。自身が所属するプロジェクトの中では若手であっても、評価結果が優れている場合はチームリーダーを任されるケースもあるという。
このように、きめ細かな成長サポートが用意されていることに加え、現実的な目標設定と偏りの少ない多面評価が行われるため、評価結果に対する社員の「納得感」が高いのである。