左利きは天才肌と言われることが多いが、スポーツ選手でもサウスポーの活躍が目立つ。左利きの選手が有利とされるのには、どんな理由があるのだろうか。書籍『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(加藤俊徳著、ダイヤモンド社)を参考に、右利きが左利きを苦手とする理由や、国内外で活躍するサウスポーアスリートの秘密を紹介する。(文/鈴木 舞)
なぜスポーツで
サウスポーは強いのか
左利きが有利になるスポーツといえば、球技をイメージする人は多いもの。書籍『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』でも、左利きのメリットについてこう述べている。
「左利きの強みがさらに発揮されるのは、単体や少人数で行う競技です。テニスやバドミントン、卓球などのラケット競技で左利きは、フォアハンドとバックハンドが右利きと反対で弾道が変わるため、相手に嫌がられるはずです」(『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』より)
バドミントンの桃田賢斗選手、卓球の石川佳純選手や水谷隼選手は、日本が誇るサウスポーだ。左利きが打った球は弾道や回転、速さに変化が出やすく、右利きにとっての弱点を突きやすい。
たとえばバドミントンの羽根は、基本的に左巻きで付けられている。この左巻きの羽を左利きが打った場合、より強い回転がかかることが多い。左利きが打ったシャトルが速く見えたり、独特な落ち方に感じられたりするのは、こうした要因が考えられる。
サッカーや野球、バレーボールなどのチームスポーツでも、多くの左利きが国際的な活躍を見せている。たとえば黄金の左足を持つサッカー選手のリオネル・メッシ、メジャーリーグのカーショウ投手は左利きだ。バレーボール男子日本代表では、サウスポーの西田有志選手が存在感を増している。
球技では、いかにしてシャトルやボールに回転をかけるかが得点を左右することが少なくない。パワーも大事だが、ボールのコントロールや攻め方のバリエーションを増やすには回転が重要だからだ。