働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本書の内容を一部公開します。
試験当日でも効くノウハウ
本日は試験開始の号令があった後に使える「試験攻略テクニック」を解説していきます。
おそらくほとんどの受験生が試験開始と同時に「問1」から問題を解き始めるでしょうが、それがベストとは限りません。
試験開始直後に解く問題をスムーズにクリアできれば、「よし、いける」とポジティブになり、次の問題もスムーズに解け、どんどん波に乗っていける可能性があります。
一方で、試験開始直後の問題でつまずいてしまうと「どうしよう、まだ1問目なのに」と一気にネガティブになり、その後の問題も焦りを感じながら解くことになってしまいます。
このように試験開始直後に解く問題は、試験全体に大きく影響するのです。
例えば宅建士試験の場合、問1から問14までは「権利関係」という分野から始まるのですが、非常に難しく、解くのに時間がかかります。
一方、難易度が低いとされている「宅建業法」は問26~45という後半に配置されています。
そのため、問1から着手するといきなりつまずく可能性があり、宅建業法にたどり着く頃には相当焦っている可能性があるのです。
問1から解かず、簡単な問題から!
そこで私がオススメしているのは、例えば宅建であれば、試験開始直後、一気に試験問題のページをめくって問26の宅建業法からスタートすることです。
宅建業法の問題は比較的簡単で、かつ1問当たりにかかる時間も短くて済むので、どんどん試験の波に乗れる可能性があります。そうすると宅建業法が終わるころには、「よし、いける」と思えている状態になるので、権利関係の難しい問題も意外と冷静に解くことができるのです。
今回は宅建士試験を例に解説しましたが、私が合格してきた9つの資格試験すべてにおいて同じことが言えます。
問1から解かなければならないというルールがない以上、試験開始直後に着手すべきは、あなた自身が最も得意としていて、かつ速く解ける問題です。
必ず模試で試しておく
ただし、このテクニックを使うにあたって守ってほしいことがあります。それは、必ず模試などでシミュレーションをしておくことです。
ぶっつけ本番でやると、マークシートの塗り間違いをするといった、予期せぬミスを誘発する恐れがあるからです。
何より、精神的に「これで本当に大丈夫なのか」と疑いながら進めることになるので効果的とは言えません。ですので、必ず事前にシミュレーションをして効果を実感したうえで、本番で使うようにしましょう。
(本原稿は、棚田健大郎著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を編集・抜粋したものです)
働きながら3年で、9つの資格に独学合格!
はじめまして、棚田健大郎と申します。この度、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を上梓します。私は、働きながら3年で、次の9つの資格に独学合格しました。
行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、ビジネス法務エキスパート®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、賃貸不動産経営管理士、敷金診断士、シニアライフ・相続アドバイザー
勉強が得意だったわけではなく、最終学歴は専門学校です。ただ、すべての試験に一発合格できたわけではありません。最初に取得した宅建士は、試験勉強をしっかりしたにもかかわらず、一度落ちています。
1年間がんばったが不合格。その理由は?
当時、サラリーマンだった私は毎日の仕事が忙しく、スクールに通って勉強時間を確保するのが難しかったので、独学合格を目指していました。帰宅後、毎日3時間勉強していたのですが、合格点に1点足りずに落ちてしまったのです。
1年間勉強して落ちたときの心境は言葉では言い表せません。すべてを否定された気がしました。これだけの時間をつぎ込んでも合格できないのは、根本的にやり方が間違っていると思いました。勉強法を見直すことにした私に、ある1つの考えが浮かびます。
「暗記さえできれば合格できる」
不合格になるのは、答えを間違えているから。その原因の多くは、答えを導き出す知識を覚えていないからです。勉強したことを試験日まで「絶対に忘れないようにするしくみ」を作れば、必ず合格できます。
そして試行錯誤の末、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』が誕生しました。やることはいたってシンプル。覚えたことを忘れないように、「忘れる一歩手前で思い出す」のです。その進捗管理に、私が考案した「大量記憶表」を使います。
「紙1枚勉強法」のメリット
・一度覚えたことを絶対に忘れない
・スケジュール管理ができ、学習効率が大幅アップ
・「見える化」により、モチベーションがとぎれない
この勉強法を確立してからは、9つの資格をたった3年で合格できました。この勉強法は、資格試験だけでなく、大学受験や公務員試験、その他のあらゆる勉強にも応用可能です。
働きながらでも、時間がなくても絶対大丈夫!
資格取得に興味が出てきた人に立ちはだかるのが「時間がない」という壁です。仕事に追われている会社員や家事に追われている人が、「じゃあ、資格の勉強してみようかな」と思っても、「1日数時間も時間がとれない。ましてや、スクールに通う暇なんてない」と思うでしょう。
でも絶対大丈夫。仕事や家事と試験勉強の両立は可能です。私自身、最も仕事が忙しい時期に、市販の問題集と参考書を使った完全独学で、9つの資格をとりました。何とか合格したいと思い、
・過去問の徹底活用(参考書は補足教材)
・1日2~3時間の勉強時間を無理なく確保できる「耳学」
・短時間でも勉強の質が高くなるモチベーションマネジメント
こうした工夫も行いました。あますところなく紹介しますので、「忙しくて勉強時間を確保できない人」でも完全独学で合格できます。この本を読んで実践すれば、必ず結果はついてきます。
今、あなたの前には「日々の忙しい仕事」「勉強時間の確保」という大きな壁が立ちはだかっていますが、それはほんのちょっとした「しくみ」で突破できるのです。
試験直前に効くノウハウも満載!
本書では私が実践してきた、
・試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・試験当日に一気に点数を伸ばす10のテクニック
・3年間で9つの資格をとった同時受験ノウハウ
これらも紹介しています。すべて「働きながら」「完全独学」「一発合格」には欠かせません。
本書は私にとって初めての著書になります。この本を読んだ人が、勉強によって人生を変えることを強く願い、心を込めて書きました。私の持てる全知識を出し惜しみすることなく公開することを、ここにお約束します。
本書の主な内容
序章 働きながら9つの資格をとった理由
第1章 紙1枚でできる「忘れさせない大量記憶法」
・紙1枚とペンでOK! 大量記憶法の進め方
・過去問は「点」ではなく、「面」で理解する
・記憶メモリーを有効に使う「覚え歌」暗記法
第2章 「ながら学習」で大量記憶! 耳学をマスター!
・超効率学習「耳学」の2ステップを公開!
・耳学に慣れると、解答スピードがアップする!
・「目に入れて覚える」しくみを作ろう
第3章 三日坊主を撃退するモチベーションマネジメント
・勉強はモチベーションが9割
・がんばりすぎず、「やる気貯金」をためよう
・「勉強期間は1年」という考えを捨てる
第4章 試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・6か月前「覚えるより、忘れないを重視する」
・2か月前「手持ちの問題集を完璧にする」
・2週間前「復習を怠らず、自力模試を行う」
第5章 試験当日に点数を伸ばす10のテクニック
・三種の神器を会場に持参する
・ケアレスミスを防ぐ○×チェック法
・ワンブーストで「見直し時間」を確保する
第6章 私の資格試験体験記――同時受験のススメ
・最大のメリット「記憶の維持」がラク
・同時受験の勝率を上げる3つのポイント
・「本命試験が後の場合」の試験攻略法