処女作出版から「絶対達成」シリーズ7万部突破で思うこと

寺田 年末に『絶対達成する部下の育て方』(以下『部下本』)『絶対達成マインドのつくり方』(以下『マインド本』)の「絶対達成」シリーズが7万部を突破しました。いま、著者としてはどんな心境でしょうか。

横山 経営コンサルタントとして、ダイヤモンド社から出版できたことを光栄に思っていますし、そのうえ「絶対達成」シリーズ7万部突破ということで、非常にうれしいです。

寺田 私自身、著者の処女作には並々ならぬ想いがあります。おかげさまで、横山さんまで処女作著者15作すべてが重版になりましたが、16作目が横山さんの『絶対達成する部下の育て方』。処女作プロジェクト進行中は毎日が緊張の連続でした。横山さんは、初めての書籍をどんな想いでつくられたんですか?

横山 この本は、コンサルタントとしての集大成のようなものですね。私は組織営業力をアップさせて、目標を「絶対達成」させるコンサルティングを実施しています。現場で実施しているコンサルティングのエッセンスがすべて入っているわけではないのですが、「絶対達成」とか「予材管理」に触れる意味では、ものすごく意味深い書籍になったと思います。

寺田 ほめて育てようという風潮のなかで、そもそも「絶対達成」というキーワードは、どうやって浮かんできたのでしょうか。

「絶対達成」というキーワードはどこから?

横山 編集のみなさんで話し合っているときに出てきたんですね。もともとは私自身がつくり出した言葉ではないんです。『部下本』の企画当初のタイトルは、『絶対達成させる部下のつくり方』でした。

寺田 おっしゃるとおり、「絶対達成させる」という他動詞的なものでした。「絶対達成」というコピーの響きを聞いたとき、即座にいいな!と思いました。私はこのコピーに食いついた思い出があります。結果的に見ると、「絶対達成」と「予材管理」という横山さんの集大成に近いような名刺代わりの一冊になりましたね。

横山 そうだと思いますね。私はこれまで「絶対達成」シリーズを含めて3冊出版していますが、発売から1年以上経過した現在でも、この『部下本』から入った、という方が一番多いです。

寺田 生まれて初めての出版となると、大変だったと思います。出版までどんなハードルがあったのでしょうか?

横山 とにかく1冊の中にいっぱい詰め込みたくなるのです。それこそ「予材管理」の話だと、「予材管理」の運営に不可欠な「予材管理シート」も登場させたくなりました。また、タイトルには『部下の育て方』とありますので、どうやって部下とコミュニケーションをとっていけばいいかのノウハウも詰め込もうとしたのですが、最終的にはそれをあえてそぎ落としています。結果的にあの書籍の、ポイントは3つに絞られることになりました。

『部下本』のポイントは3つに絞られる

寺田 「3つに絞られる」とは?

横山 いつも『部下本』を一般の方に紹介するとき、「内容は3つです」と言っているんです。

寺田 具体的にその3つとは?

横山 1つは「目標に焦点を合わせる」。これが一番大事なことです。『部下本』のオビに、「部下の8割は目標予算を知らない!」とあります。これは私が実際に1万人アンケートを敢行して得た実証結果ですが、本当に部下の人たちは自らの目標予算を知らないのです。そして、もう1つが「大量行動」。そして、3つ目が「予材管理」です。

寺田 「予材管理」というのは、一般の人たちにどういう印象を与えるんでしょうか?

横山 目からウロコなんじゃないですかね。目標を目指すのではなく、「目標達成はあたりまえ」で目標未達というリスクを回避する、ということですので、目標の2倍の「予材」を積む。

寺田 「予材」というのは、『部下本』の89ページに詳細な図がありますが、「見込み(目標予算のうち達成できそうなもの)」、「仕掛り(ひょっとしたら注文がくるかもしれないもの)」、「白地(しらじ:これから芽が出そうな案件の種)」ということですね。「予材管理」は、この見込み+仕掛り+白地の「予材」を200%積む、目標予算の2倍積む、ということですが、あえて2倍、というのがわかりやすくて評判がいいようです。これが、1.7倍じゃないとダメなの?とか、いろいろ突っ込みがあったそうですね。なぜ2倍なのでしょうか。

横山 わかりやすいからです(笑)。

寺田 結構そのあたりは、大雑把でいいということですか。