ペットビジネスは大きく分けて4つの要素で構成されています。一つ目が生体販売とサービス分野で、これは犬や猫などの生体販売やペットホテルやトリミングといったサービスの市場です。19年時点で、ペット市場全体の半数を占めています。

 続いて大きな割合を占めるのがペットフード市場です。飼育頭数が増えたことに加えて、ペット業界でも健康を意識する方が増えたことで、高級フードを中心として消費が伸び続けています。

 そして、三番目に大きな割合を占めているのがペット医療市場です。ペットの医療もより高度なものになり、医療費は増大傾向にあります。加えて、医療費が高額になったことからペット保険の市場規模も拡大傾向にあります。

 四つ目が、ペット用品全般の市場です。ペット市場全体における割合は決して高くはありませんが、ペットシートや猫砂、シャンプーなど品目は多岐にわたるので成長の可能性がある分野でもあります。

 経済産業省の発表によると、21年のペットおよびペット用品販売額は2800億円を超えています。このデータはペット医療・保険などを含まないペットの生体販売と関連用品の販売額のみであるため、すべてを含めると、ペット市場はさらに大きなマーケットであるといえるでしょう。

中国のペット市場は
ここ10年で15倍もの成長

 前述の通り日本のペット市場の規模も大きいものの、世界に目を向けるとさらに大きな規模でペットビジネスを展開している国もあります。

 例えば、日本を抜いて世界でもトップクラスのペット大国となった中国の19年時点のペット関連産業の市場規模は、日本円にして約3兆円となっています。中国のペットビジネス市場はこの10年で15倍もの成長を遂げており、今後さらに伸びることが予測されています。

 その他のアジア諸国ではシンガポールやタイなどでも犬や猫を中心としたペットブームが起こっており、市場規模は拡大傾向にあります。特に、タイでは2000年代前半から長期的なペットブームが継続しており、毎年10%を超える成長率を維持し続けています。

 世界一のペット市場規模を誇るアメリカにおいては19年のペットビジネスの市場規模は8兆円を超えており、世界的に見てもペットビジネスの市場は非常に大きく、魅力的であるといえるでしょう。