不快な症状を感じるとき、私たちの体ではどのような変化が起こっているのでしょうか。そのカギを握るのが「自律神経」です。怒りや緊張といった強いストレスに直面すると自律神経が乱れ、そのシグナルは冒頭に挙げたような不快な症状となって私たちの体に伝わります。「ストレスの多い毎日で体調が優れない」「年齢とともに体力や気力の衰えを感じる」……それらは自律神経の乱れにより引き起こされているのかもしれません。

ココロの不調は体の不調
自律神経を介してつながる心と体

 私たちの健康は、体を構成する約37兆個もの細胞の一つ一つがしっかりと機能することで守られています。この細胞のエネルギーとなるのは十分な栄養と酸素。これらが足りないと細胞がきちんと機能せず、やがて全身のあらゆる器官に不具合が生じてしまいます。とりわけ重要なのが脳。栄養や酸素の不足により脳細胞の働きが衰えると記憶力や判断力が低下するだけでなく、内臓や各器官の働きも鈍くなります。胃や腸の機能が衰えれば消化や栄養の吸収が悪くなり、下痢や便秘などの不調の原因に。さらに肌や髪、爪などの細胞の再生が滞ることで、美容面にも悪影響が及びます。

 こうした不調に見舞われないようにするには食事や呼吸によってとり入れた栄養と酸素を、一つ一つの細胞へしっかりと届けることが重要。その役割を担っているのが血液です。そして、血液の流れを司っているのが自律神経。自律神経を整えることで血液の流れがよくなり、全身の細胞の機能が活性化されるのです。

 そして自律神経には心の状態が大いに関係しています。怒りや不安によって心が乱れると、自律神経のバランスも崩れて血流が悪くなります。すると体にも様々な不調が現れてきます。つまり心と体は自律神経を介してつながっているということ。心の状態がよければ自律神経のバランスも整い、体の調子も安定するのです。

原因不明の「疲れ・体調不良・無気力」…自律神経の乱れかも『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社刊より) 拡大画像表示