武田薬品が役員報酬を決める「ある財務指標」で最下位に!それでも高額報酬は続く?武田薬品工業のグローバル本社 Photo by Masataka Tsuchimoto

国内製薬トップである武田薬品工業では役員に対し、「業績連動株式ユニット報酬」が成果に応じて支払われる。2022年はこの報酬が下限まで引き下げられることが、定時株主総会前の開示資料で明らかになった。ベンチマークする世界の競合15社と比較した“ある財務指標”が最下位になってしまったからだ。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

ファイザーなど世界の競合15社と比較
“ある財務指標”が最下位になった

 国内製薬トップである武田薬品工業の役員に支払われる2022年の「業績連動株式ユニット報酬」が、下限まで引き下げられる。

 武田薬品は19年1月、アイルランドのバイオ医薬大手シャイアーを約6兆円で買収してメガファーマ(巨大製薬会社)になった。その直後から“ある財務指標”を役員報酬の算定基準に取り入れた。指標を測る期間を3年間とし、22年3月期に導入後初めて結果が出たのだが、米ファイザーやスイス・ロシュなど世界の競合15社と比較して最下位。このため前出の役員報酬が下限まで引き下げられるのである。

 この指標とは何なのか。武田薬品と競合各社はどんな数値で、武田薬品はなぜ最下位になったのか。高額批判にさらされてきた武田薬品の役員報酬は激減するのか。次ページで明らかにする。