役職定年で居場所をなくす人と、慕われ続ける人の差を生む「魔法の言葉」Photo:PIXTA

大企業を中心に、一定年齢以上の役職定年を設けている企業は少なくない。また、定年延長で60歳を超えて働き続ける人も増えてきた。こうした中、課題となっているのが、シニア社員のモチベーションの低下だ。しかし、燃え尽きたシニア社員がやる気を取り戻すため、そして後輩社員とよい関係を築くためにも効果的な「魔法の言葉」がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

燃え尽きたシニア社員
モチベーションをどう上げるか

 人材サービスを手掛けるマンパワーグループが行った調査によると、一定年齢に達した社員が部長や課長などの役職から退く、役職定年制度を設けている企業は4割を超え、社員数500人超では6割に上るという。また、約6割の企業が、65歳以上の継続雇用制度を導入している(2021年6月発表、マンパワーグループ「シニア雇用制度の導入状況」調査より)。

 また、同調査によれば、役職定年を迎えたり、継続雇用の段階に入ったりしたシニア社員活用の課題や問題点として、最も多く挙げられるのが、「モチベーションが低い」ことだという。

 シニア社員の処遇を考える人事部や、シニア社員を組織に迎える管理職からは、「役職定年になった部長に、どのような仕事をお願いすればよいか分からない」「そもそもどのように接したらよいのか」といった相談が後を絶たない。

 そして、当の本人からも「後輩へ指導、助言をしようとすると疎まれる」「はれ物に触るような雰囲気で、居心地が極めて悪い」「これまでとは真逆の単純作業で、やる気が起きない」「時間を持て余す」といった悩みの声を聞く。

 燃え尽きたシニア社員のモチベーションを上げるにはどうすればいいのだろうか。

 実は、役職を外れたシニア社員こそが使うべき5つの「魔法の言葉」がある。これを使って後輩社員とコミュニケーションを取ることで、組織の雰囲気は格段に改善され、自身のモチベーションを向上させることにつながるだろう。