企業を取り巻く環境がめまぐるしく変化する今、「決算書を読む」力はビジネスパーソンの必須スキルといっても過言ではない。ただ、指標や項目の意味をきちんと押さえておかないと、見当違いな分析をしてしまうことも……。特集『会計サミット2022』の#6では、SNSを中心に企業分析や決算書の読み方について発信している大手町のランダムウォーカー氏と、企業分析ハック氏の対談の模様をお届けする。後編では、決算書を読むときの注意点や、危ない企業の見分け方について語り合った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
株式会社Fundaにて「#会計クイズ」を運営するほか、企業研修やコンサルティング業務も行っている。25万部を超えるベストセラーとなった著作の続編『世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』が6月17日に発売された。https://www.funda.jp/
企業分析ハック @company_hack
投資家や経営者向けに企業の戦略やビジネスモデルを分析し、SNS上で発信。Twitterフォロワー11万人。音声メディアVoicyでパーソナリティーを務め、フォロワー1万人に。
企業分析の達人たちに聞く
決算書を読む極意
――お二人は企業の決算書を読む際に、どんなところをチェックしていますか? 分析のコツを教えていただきたいです。
大手町のランダムウォーカー まず、決算書のどこを見るのかは、何の目的で見るかによると思うんですよね。
企業分析ハック そうですね。例えば、私が決算書を読む目的は、大きく二つ。企業がどうやって生存するのかと、この企業は成長するのかどうかを知るためです。
どうやって生存するのかについては、前回の話とも共通しますが、決算書には営業の側面だけではない、いろいろな財務活動が表れます。企業がお金をどう回しているのか、数字の根拠を拾って見ていく。健康診断みたいなことですね。
成長可能性については、株式投資をする人なら当然見ているでしょう。ただ、決算書はファクトなので、「こういうファクトだったらおそらくこうなるだろう」というように読む側が予想しなければならない。ここは、人によって分析結果が分かれてくるところだと思います。
大手町のランダムウォーカー 「健康診断」的な見方をするときに、財務数値で重点的に見るところは何ですか?