大手町のランダムウォーカー×企業分析ハック対談Photo:PIXTA

続くコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、資源高、円安……。さまざまな難題は企業の決算にどう影響を与えたのか。SNSを中心に企業分析や決算書の読み方について発信している大手町のランダムウォーカー氏と、企業分析ハック氏が注目した企業の決算について語り合った。特集『会計サミット2022』の#5では、二人の対談の模様をお届けする。前編では、21年度決算で注目したトピックから、今後企業の明暗を分け得るポイントについて考察する。(聞き手/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

大手町のランダムウォーカー @OTE_WALK
株式会社Fundaにて「#会計クイズ」を運営するほか、企業研修やコンサルティング業務も行っている。25万部を超えるベストセラーとなった著作の続編『世界一楽しい決算書の読み方[実践編]』が6月17日に発売された。https://www.funda.jp/
企業分析ハック @company_hack
投資家や経営者向けに企業の戦略やビジネスモデルを分析し、SNS上で発信。Twitterフォロワー11万人。音声メディアVoicyでパーソナリティーを務め、フォロワー1万人に。

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コロナ禍で飛び出た「いびつな決算」

――まずは、お二人が2021年度決算で注目した企業やトピックについて教えていただけますか。

大手町のランダムウォーカー 個人的に印象に残っているのが、任天堂の決算です。Nintendo Switchは発売から約5年たちますが、22年3月期の販売実績(セルスルー、販売店から消費者に売られた台数)は発売以来2番目の水準と好調で、まだまだSwitchで稼ごうとする意向がうかがえます。これに関連して、家庭用ゲーム機の「ライフサイクル」が従来よりも延びつつあることが気になりました。

 従来のゲーム機のライフサイクルは、だいたい4~5年くらい。発売4年目くらいまでは販売台数が右肩上がりで増加し、5年目を目安に落ち着くというのが従来の数値の動きでした。ニンテンドーDSも、Wiiも、だいたい4~5年くらいで頭打ちとなり、次の新しい世代のハードが登場するというのがこれまでの流れだったと思います。

次ページ以降では、任天堂の業績に見られた変化や、円安、原材料費高騰などが続く中で勝ち残る企業の条件について語ります。