野球は?サッカーは?
スポーツ指導者になるための資格とは

 そもそもスポーツ指導者になるには、どんな知識やスキル、資格が必要なのか。

 たとえばプロの国内サッカーであれば、JFAが認定するサッカー指導者のライセンスを取得する必要がある。一方、日本のプロ野球には監督のライセンス制度は存在しない。スポーツ指導者は、その競技や指導対象によって求められるスキルや知識、資格取得の有無が異なるのが現状だ。

 プロの世界ではない、学生を対象としたスポーツ指導者の場合はどうだろう。高校サッカーの監督になるにはプロと同様に、ライセンスを取得するのが基本だ。高校サッカーの監督であれば、JFA認定ライセンスが要件となっている。教員が部活動の顧問を担当する場合や地域の少年サッカーチームなどにおいては、ライセンスを必要としないこともある。

 野球は、高校生を指導する場合でも指導者資格は必須ではない。教員が監督を兼任することが多いが、強豪校などでは外部から監督を招いて契約していることもある。

 サッカー以外のスポーツでも、監督に資格やライセンスを求める競技は少なくない。スポーツ指導者を目指す人は、「公認スポーツ指導者」の資格を取得するケースもある。

 公認スポーツ指導者とは、JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会)が認定する資格だ。スポーツを指導するために役立つ知識と技能を認定し、指導者の基礎力習得をサポートすることを目的としている。資格取得までには、スポーツ指導のための専門知識とスキルのほか、倫理観やコミュニケーションなど人間力についても学ぶ。

 公認スポーツ指導者の受験層は幅広い。地域のスポーツクラブやスポーツ少年団、学校の部活動の指導者から、プロレベルの指導者も受験している。同資格には上級資格が設けられており、トップリーグや実業団の指導に役立つ知識や技能も認定している。

 公認スポーツ指導者の有資格者は、指導者としての基礎力を体系的に身に付けたと見なされるのだ。