キッチン収納でわかる家事シェア事情(5)
「そろいのケースで白い壁と化した棚」

 最後は、見た目は悪くないのに使いこなしが難しい収納ケースです。収納扉を開けると、棚いっぱいに白色のケースがずらっと並んでいる光景は壮観ですが、見えるのは白い側面ばかりで、中に何が入っているのか、どのくらい入っているのかが全くわかりません。

 見えないと探すのも一苦労。使い終わった後や買ってきたときに「どこに入れればいいのか」もパッと見で判断しにくい。ラベリングと違うモノが入っていることも多く、恐らく家族が適当に戻しては、「違うところに入れないで!」と怒られたりしているのでしょう。

 収納ケースを棚に置くときは、棚の高さをその倍に設定して「中が自然に見える」状態にしましょう。家族で収納ルールを共有しようと思ったら「いかに説明なしでわかってもらうか=見ればわかる状態にするか」がカギです。ラベリングは、それをやった上での「保険」。小さな文字情報だけでは、人を動かすことはできません。

 キッチンを家族全員にとって使いやすい場所にすることは、家族のコミュニケーションを見直すことでもあります。「片づけのめんどくささを解消する仕組みづくり」については、私が『家じゅうの「めんどくさい」をなくす』という本でじっくり解説しているので、ぜひご一読くださいね。

(家族の片づけコンサルタント sea(しー))