他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そして良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。

感じいい人は、なぜ嫌味なくサラッと褒められるのか?#シンプルな褒め言葉ベスト4Photo: Adobe Stock

「◯◯やすい」は使える褒め言葉

 褒めるのが大事と言われて久しいですが、普段、何と言って褒めていますか?

 例えば、

「すごいですね」

 といった一言で済ませていないでしょうか?

 もちろん間違いではありませんが、相手に「本当に褒められてる?」「誰にでも言ってるんじゃない?」と思わせてしまう可能性もあります。

 褒める時は、

「◯◯さんの説明はわかりやすいですね」

 などと、「すごい」と思うポイントを具体的に褒めましょう。感じがいい人は「褒めよう!」と意気込んでいるのではなく、良いと思ったポイントをサラッと相手に伝えています

 他にも、

「字が丁寧で読みやすいですね」
「◯◯さんは話しやすい人ですね」

 といった感じですね。

「○○やすい」は褒め言葉として使いやすい言い回しです。

褒め言葉に迷ったら、何と言えばいい?

 褒めたい! でも何と言ったらいいか、パッと出てこない! そんな時は、

「◯◯素晴らしいですね」

 と伝えてください。ポイントは「も」の部分。「~も」とするだけで、「素晴らしい」「すごい」といったシンプルな褒め言葉が引き立ちます。

 また、

「素敵ですね」

 といったシンプルで短い褒め言葉は「思わずもれた本音」にも聞こえます

 他にも、

「お見事ですね」
「最高です!」

 といった表現もいいでしょう。

 具体的に褒められるのもいいですが、短い言葉で潔く言われるのもうれしいですよね。

褒めるタイミングは、いつだってある

 何かを達成した時だけが、褒めるタイミングではありません。

「◯◯さんがいてくれるだけで安心します」

 これは相手の存在を肯定する言い回し。特別な何かではなく、「存在そのもの」を褒められるとうれしいですよね。上司や部下、嫁姑、夫婦、親子、友だち、どんな関係でも使えて、喜んでもらえる言葉です。

特定の人と比べる褒め方は避けて

 褒め言葉は相手を喜ばせるものですが、使い方を間違えると、マイナスの気分にさせる可能性があります。たとえば「あなたのほうが、〇〇さんより素敵ですね!」などと、特定の人と比較した褒め言葉は受け取りづらいもの。知人や同僚と比較されると、なおさら素直には受け取れませんよね。だれかと比べて褒めるのは避けましょう。

『オトナ女子のすてきな語彙力帳』では、無理なく自然体でできるコミュニケーションのヒントをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)