親友にすら嫉妬するもの

では、どんなタイプの人がねたみを抱きやすいのでしょうか?

これを知るのは難しいことです。

幼いころに愛されずに育った人でしょうか?

十分に愛されて育った人は、他人をねたまないのでしょうか?

答えはノーです。

子どものころから愛されて、満足のいく生き方をしてきたとしても、ねたみという感情がなくなることはありません。

人は、自分をいつも楽しませて癒してくれる人にすら、ねたましさを抱くことがあります。

自分にはないコミュニケーション力やホスピタリティを、相手が持っていると感じるからです。

ねたみは幼いころから心に深くて硬い根を下ろし、大人になってからも人間関係に影響を及ぼします。

アメリカの作家マーク・トウェインは、「私が手にした成功には、親友すら不機嫌にさせる何かがあった」といいました。

「親友に降りかかった不幸な出来事に、私たちはまんざらイヤではないものを感じる」という恐ろしい言葉もあります。

(本原稿は、チョン・ドオン著 藤田麗子訳『こころの葛藤はすべて自分の味方だ。 「本当の自分」を見つけて癒すフロイトの教え』から一部抜粋・改変したものです)