年に一度の健康診断。お酒好きの人なら気になるのが、「γ-GTP」(ガンマジーティーピー)の値ではないでしょうか。γ-GTPの数値が高くなっても、それ自体が何かの症状を引き起こすわけではないのですが、進行すると脂肪肝や肝硬変など、肝臓の病気につながるので注意が必要です。(管理栄養士 岡田明子)
健康診断の結果「γGTP」の数字の見方
γ-GTPの一般的な基準値は男性が50IU/L以下、女性が30IU/L以下とされています。ただし、基準値は検査を受ける機関によって異なる場合があります。
γ-GTPは、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。正式には、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼというγGTPは、タンパク質を合成、分解する酵素です。胆道から分泌され、肝臓の解毒作用に関わっています。
肝臓から処理済みの老廃物は、胆管を通して十二指腸に排泄(はいせつ)されますが、胆道が胆石などによって詰まると、γ-GTPなどの酵素や老廃物が逆流して、血中の濃度が上がります。このため血中のγ-GTPを検査することで、アルコール性肝機能障害、肝硬変・慢性肝炎などの早期発見が可能になります。