ホテルの自室で朝食をとる男性写真はイメージです Photo:PIXTA

殺風景な内装と簡素なサービス…そんなイメージが強かったビジネスホテルだが、昨今はサウナや温泉を設置、豪華な朝食を提供するなど、多様なサービスを行う施設が増えた。ビジネスホテルらしくないゴージャスさにも思えるが、このような現象の原因や狙いはどこにあるのか。ホテル評論家の瀧澤信秋氏に、ビジネスホテル業界の現状を聞いた。(清談社 沼澤典史)

団体旅行の減少とともに
ビジネスホテル観光需要が増加

 日本に宿泊施設は多くあるが、そもそもビジネスホテルとはどのような宿泊施設のことなのか。

「宿泊施設は、主に宿泊に特化したホテルと宿泊以外のサービスも提供するホテルに分けられます。そして一般的には前者がビジネスホテル、後者がシティホテルと言われ、ビジネスホテルは業界では宿泊特化型ホテルと呼ばれます。シティホテルは宴会ができたり、結婚式ができたりする大きなホテルと考えれば、イメージが付きやすいですね」(瀧澤氏)

 昨今ではビジネスホテルのなかでも、「スイートルームやプールがあったりするコンセプト性の高いビジネスホテルも登場し、“宿泊のみに特化”しているとも言い難い現状もある」(瀧澤氏)そうだが、それらをくくるのに最適な表現もないため、広義な意味で“ビジネスホテル”という言葉を使用しているのだという。