CPIプラス幅、中央値とコアが逆転
物価の焦点は「粘着性のある変化」に
インフレが続く中、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は8月26日のジャクソンホールでの講演で、米景気に多少の犠牲はあってもインフレ抑制を重視する姿勢を改めて示し、それを受けて米株価は急落した。
米国の景気循環や市場動向を展望する上で、FRBによる利上げペース、さらにはその背景にある物価から目を離すことはできない。
だがインフレを展望する上では、エネルギーや食料の価格に見られる「派手な変化」ではなく、仮に動き自体が地味であっても物価の「基調」を示す「粘着性のある変化」に注意を向ける必要がある。
このことを象徴する動きが最近の米国のCPI(消費者物価指数)に見られた。
それは、コア(食料・エネルギー除く)と基調を示す中央値のプラス幅の逆転だ。