できるだけ安くて保障のしっかりした保険に入りたい。余分な保険を見直して、家計の負担を少しでも軽くしたい――。
世間ではそんなニーズが高まっていますが、保険の仕組みは複雑怪奇。
よい保険を選んだり、見直しするのは簡単なことではありません。また、誰に相談したらいいのか・・・・・・。これも悩みどころです。
そんなニーズにバッチリ答えたい。それが本特集のコンセプトです。
まずは、保険の販売に潜むワナを徹底解明しました。最近では、営業職員以外に、複数の保険会社の商品を扱う保険ショップや代理店、外資系生保の男性営業マンや銀行での保険販売など、保険に加入するルートが格段に増えています。
ですが、それぞれに保険を売りつけるための巧妙な“仕掛け”が潜んでいます。販売手数料が高い商品しかすすめない保険ショップや、泣き落としマニュアルで日々話法を磨いている男性営業マンなどなど・・・・・・。
本特集では、詳細な事例を交えて解説していますので、彼ら彼女らのテクニックに惑わされないようにしてください。
次に、保険商品です。複雑な商品には理由があります。最近、保険料の原価を公開した保険会社がありますが、そのデータを用いて保険料に占める利益の割合を試算しました。
ネット生保と大手生保では、利益の差はなんと6倍です。その差は対面サービスが主のようですが、皆さんは納得できるでしょうか。
また、昨年の特集に引き続き、保険に詳しいファイナンシャルプランナーなど17人にオススメの保険と入ってはいけない保険を厳選してもらいました。選ばれたのは、保障内容に比して割安の保険です。
この傾向は、自動車保険でも同様です。大手損保の半額近い直販系の損保のシェアが伸びています。地方ではサービス網に違いがあるようですが、都心部ではほとんど変わらないと言われます。
そして忘れてならないのは、古い保険に潜んでいる「お宝」です。知らずに解約したり、新しい保険に乗り換えたりすれば、そのお宝は消えてなくなりますので、チェックポイントで確認してください。
最後に保険会社です。世界同時不況の影響で保険会社の体力が落ち込んでいます。あの“トリプルÅ”の格付けを誇っていたAIGが破綻の危機に陥るなど、誰が想像できたでしょうか。よい保険だけでなく、保険会社にも目を光らせる必要が出てきました。
そこで、金融危機が直撃した第3四半期決算データから、8つの経営指標を選定して「生保安全度ランキング」を作成しました。商品と合わせて保険会社選びの参考にしてください。
また、損保業界では大手損保3社の経営統合が発表され、東京海上の売上高を抜き去るメガ損保が来年春に誕生します。メガ損保となる3社のトップは、どんな考えでその決断を下したのか、
一方、対抗する大手3社のトップはこれからどんな手を打つつもりなのか、特集で詳細に報じています。
以上のように、盛りだくさんの内容でお届けします。本特集が、みなさんの保険選びの参考になれば、これに勝る喜びはありません。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 藤田章夫)