営業拠点Aでは、ほとんどのメンバーが、すべての質問に「いいえ」と答えました。産業医は、「いつメンタルを病む人が出てもおかしくない」と現状を伝えました。
一方、営業拠点Bでは、ほとんどのメンバーが、すべての質問に「はい」と答えました。たしかに営業拠点Bは活気にあふれ、業績も好調です。
特筆すべきは、「営業拠点Aと営業拠点Bの仕事量はほぼ変わらない」ことです。なのになぜ、メンバーの精神衛生と業績にここまでの違いが出るのか。答えは3つの質問に集約されています。
営業拠点Aでは、お互いに相談できない雰囲気がまん延していたために、誰もが「孤独」に仕事をし、行き詰まった仕事も自分ひとりで抱え込んで解決しようとしていたがために、効率が落ちて残業が増えていました。全員が「不要な多忙さ」に追われていたのです。
一方、助け合って解決する風土ができていた営業拠点Bは、全員がイキイキと働けているうえに、好調な業績を維持できています。
「不要な多忙さ」をなくすには?
不要な多忙さは、職場での「孤独」が原因で生まれます。そして、職場をそのような状況に陥れ、自らも無用な多忙さの渦に巻き込まれているリーダーには、誰も憧れません。
職場の「孤独」をなくすには、お互いに困ったことを相談し合い、共有し合えるようなコミュニケーションの活性化が不可欠です。そのためにはあなた自身が積極的にメンバーに「困ったこと」を開示して相談し、「ああ、自分たちも困ったことを相談していいんだ」と思わせる必要があります。
あなたの行動で、職場に「相談しやすい雰囲気」をつくるのです。