動画学習にはネガティブな影響もある
――授業動画をアーカイブで視聴できるケースも増えていますね。
富永:その場合、対面授業に集中しなくなる可能性があります。「後から動画見ればいいや……」となるからです。
対面授業しか受けられないと、先生の話に集中するのでヒアリング能力が高まります。でも、同じ内容を動画でも視聴できるとなると、1回の授業の集中力が落ちて、人の話を聞く能力も低い子が増えるんじゃないか?という懸念があります。
動画は自由に早送りやストップができるので、人の話も最後まで集中して聞けない子が増えているように感じます。それは最近すごく気になっていますね。
――上の息子とはLINEでよくやりとりするのですが、「りょ」「おけ」「あざます」といった略語やスタンプばかり返ってきて「書く力」も心配になります……。
富永:大人がボキャブラリーを意識して会話していれば、子どもの語彙力も高まります。LINEでも、親が大人言葉を使って、主語と述語入りの文章で返していると、子どもも自然と正しい言葉遣いを覚えるはずですよ。まあ、親に対して実際に使うかどうかは別かもしれませんけど。
他にボキャブラリーを増やす方法として、本でもおすすめしているのは、親子の交換日記です。別に長い文章じゃなくてもいいので、大人は「ヤバい」「めっちゃ」などの流行語や子ども言葉は使わず、大人の言葉を使って返すことが鉄則です。
また、ひとりっ子に多いのですが、子どもが独り言をブツブツつぶやいていたら成長のサインです。その間は、頭にある考えを整理していて考える力が育ち、ボキャブラリーも増えているので、好きなだけ独り言を言わせてあげてください。優秀な子は独り言が多いケースが少なくないんですよ。