「裏アカ」問題で学生が肝に銘じるべき、就活の情報リテラシーとは就活市場に大量に参加する学生たちの落とし穴「裏アカ」問題とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2023年卒の学生の就活は終盤に入った。すでに24年卒の夏のインターンシップが開催され、参加した就活生もいる。今や就活は、異なる学年の学生たちが入り混じり、1年を通じて行われるイベントになったといえる。そんな就活市場に大量に参加する学生たちが一様に気を付けなければいけないのが、ネットリテラシー、情報リテラシーを正しく身に付けることだ。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が「裏アカ」問題を例にとり、現状の課題と心得を詳しく解説する。

「裏アカ」報道で考える
SNS時代に情報を出すリテラシー

 最近、内定した学生のSNSの匿名アカウント、いわゆる「裏アカ」を企業が調査して、問題発言や問題行動がないかチェックし、裏アカで不穏当なことを発信している学生の内定を取り消すという動きが報道されました。
 
 学生が個人としてSNSでどのような発信をしようと、本来は個人の範囲なので、企業が「裏アカ」を調査することには賛否があるでしょう。また調査した結果、内定を取り消すかどうかという判断に関しても、賛否があることでしょう。
 
 今の時代、「裏アカ」どころか複数のSNSアカウント持つこともあれば、公に使っているアカウントとは別のところで自由に発言をしているのだ、という主張もあるでしょう。

 ただし、大学生、しかも成人である就活生には、持っていてしかるべきメディア・リテラシーというものがあります。人に見られては困るようなことは公にしないのが常識であると考えるべきだと、私は考えています。

 SNSの恐ろしいところは、本来なら居酒屋などで行われるその場限りの個人的な会話の内容が、うっかり表に漏れてしまい、一度ネット上にアップされれば、それを取り消したとしても記録が残り続けるという点です。これは、いわゆる「デジタル・タトゥー」です。