質問に思いつきで答えない。質問の意図をくみ、心を通わせよう

「友人やまわりの人から、どんな人と言われますか?」

 こんな何気ない質問を、面接官はしてくる。

「気が利くと言われます」「アツいと言われます」「努力家と言われます」
 きみが日々、友人から言われる言葉たちが候補として頭に浮かぶだろう。

 ダラダラと全部答える訳にはいかない。
 きみはその中からどれを選んで伝えるだろうか。

 これを決める時に、心の中でつぶやいて欲しい。
「面接官は何が知りたくてこの質問をしているのだろうか」と。

 例えばこんなことが考えられる。

・身近な人といるときの素のきみを知りたがっている。裏を返すと、そこまでの面接できみがつかみ所の無い人に見えているのかもしれない。
・この答えによって、周りの人にきみが与えている一番大きな影響の種類を見ている。
・そこまでの面接でみえてない意外な一面を知りたがっている。
・人付き合いの中で一番大切にしている価値観を見ている。

 もし、そこまでの面接が緊張でガチガチになっていて、素の自分を出せていないと感じていたら、きみはつかみ所の無い奴に見えているかもしれない。そんな時、先ほど挙げた例の中にある「気が利く」や「努力家と言われます」のような優等生的な無難な回答をすると、ますますその印象を強めてしまう。

 一方で「アツいと言われます」と情熱的な部分を伝えると、意外な一面を伝えられるかもしれない。
「へえ。なんでそう言われると思う?」のような質問が展開されて、そこまでの面接で伝えきれていない魅力を聞いてくれる可能性がある。

 この例を読んで、「面接の場面でとっさに判断して答えるなんて難しいな」と感じた人もいるかもしれない。

 でも、普段のコミュニケーションでも同様のことはしているはずだ。
 サークルや部活のMTG、ゼミの発表や、飲み会、恋愛など、
 その場を読み、的確な言葉を選び、相手に伝える作業は同じだ。

質問に答えることに一杯一杯にならずに、質問の意図をくみ、面接官と心を通わせよう