不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />ほとんどの人がきっと誤解している!<br />上司・部下・恋人・友人…<br />誰とでもうまくやっていける<br />驚きの「共感」方法

ほとんどの人が勘違いしている「共感」の本質

他人に共感するということは、大切だといわれます。精神科医のカウンセリングでも大切だといわれますが、そもそも、この「共感」ってなんなんだろう、ということを掘り下げてみたいと思います。

辞書的には、他人の考えや意見、感情についてその通りだと感じることですが、ちょっと本質を捉えていないんですね。なぜなら、共感でいちばん大事なことは、「アナタの気持ちはわからないです」っていう謙虚さだからです。

「相手の気持ちがわからないと共感できないでしょ?」と思ったかもしれませんね。でも、人間って相手の気持ちになることはできないんです。もちろん、相手の状況とかシチュエーションを想像することはできますが、相手の気持ちを完全に理解することは不可能なんです。

相手への共感に大切なのは「謙虚さ」

そのことを前提としたうえで、「私にはアナタの気持ちを完全に理解することはできませんが、アナタの話を聞く限り、私はこう思います」というふうに、自分の心のままに話すのが、本来の共感なんです。

だから、共感するには「相手の気持ちはわからない」という謙虚さを持つことがなにより大事です。相手に共感しようと思ったのに、逆に反感を買われたなんていう話はよく聞きますが、それはこの謙虚さがないことが原因なんですね。わかったふりをしないことが大事なんです。

「アナタの気持ちなることはできないけれども、私はこう思いますよ」っていうふうに思いながら聞いてくと、「それはつらいだろうね」という共感が生まれ、「アナタの気持ちを想像すると、とても大変そうだと思う。話だけでも聞くよ」と、相手にもアナタが共感する気持ちが伝わるでしょう。

共感を“マウンティング”と勘違いする人

要するに「相手の気持ちはわからない」という謙虚さを抱きながら、一歩引いたところで親身になって話を聞いてあげる。すると「なんか本当に大変ですよね」という感じで、心からの共感が生まれると思うんです。

下手に「私も同じような体験をしましたからわかります」みたいなことをいって、「そんなときは、こうするべきだ」なんて指導するようなことは、共感とはいえません。場合によっては「マウンティングされた」みたいに受けとられかねません。

やはり共感で大事なことは、「私はアナタの気持ちにはなれない」という大前提を踏まえた謙虚さを持つということなんです。

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