増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】人間関係の特別扱いの落とし穴

相手への特別扱いはやめましょう

きょうのひとことは、
「特別扱いは人間関係を破綻させる」

特別扱いしたり、されたりすること、ありますよね?

いろんなケースがありますが、結論からいうと、特別扱いはしないほうがいいです。

世の中には2パターンの人がいます。特別扱いをしないとやるべきことをしない人と、特別扱いをしなくてもやるべきことをする人です。

特別扱いをすることによって、相手が自分の期待通りに動いてくれる確率は上がるでしょう。しかし、特別扱いをすることで、2パターンのどちらのタイプか区別つかなくなってしまいます。

さらに、特別扱いをしないと動かない人というのは、ずっと特別扱いされ続けないと、不満を抱く傾向が強いです。逆にいうと、特別扱いされているということを忘れてしまうということでもあります。

そして、同じように特別扱いをされていても、だんだん納得しなくなってくるんです。もっと上、もっと次の特別扱いを求めてくるようになりがちだからです。

そんな特別扱いを繰り返すうち、「もうこれ以上の特別扱いはしてあげられない」というレベルまでいってしまうケースもあります。そうなると、ついには人間関係が破綻してしまうでしょう。だから、特別扱いというのは、最初からしないほうがいいのです。

特別扱いしないように決めると、なかには相手の反応が薄くなることもあるでしょう。だからこそ特別扱いしなくてもいい人間関係が見つかります。

その人はとても大切な人ですから、特別扱いなんかしなくてもいい。むしろ特別扱いしないほうが、大切な人間関係をつくることにつながるということなんです。

そもそも特別扱いなんかしなくてもいい人を特別扱いしてしまうと、いつの間にか特別扱いしないと動かない人になってしまうリスクさえあります。

人間というのは変わるものです。媚びることで成立している人間関係があると、媚びる側と媚びられる側のいびつな関係性が深まっていきやすいです。

良好な人間関係を築き上げてきたとしても、途中から媚びる・媚びられるという関係性を混ぜることによって、いびつな関係性に変わり得ます。それは悲しいことですから、本来必要のない特別扱いは、最初からしないほうがいいんです。

自分によくしてくれている人は、特別扱いしたいと思いがちなんですけれど、そこはグッとこらえて、関係性がいびつにならないようにしたほうがいいでしょう。特別扱いするというよりも、感謝の気持ちを伝えたり、相手が困っているときにサポートしたり、そういう関係性を育んでいったほうがいいです。

要するにフェアな関係性を育む。もし誰かとの関係性がフェアでないと感じたら、自分の行動パターンを見直してみて、特別扱いは一切しないというくらいの心構えでいたほうが、よい人間関係を築くことができます。

きょうのひとことは、
「特別扱いは人間関係を破綻させる」
でした。

参考になったかしら?