ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
スマートフォンの理想と現実

昨年とは大きく違う「成熟と停滞」のCES2013
何かが大きく変わる直前の“嵐の前の静けさ”か
――ラスベガスCES会場から占う2013年【後編】

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第42回】 2013年1月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
6
AV機器、業務ソリューション、美容機器と、なんでもござれのパナソニックのブース Photo by Tatsuya Kurosaka  拡大画像表示

 これをもって、CESそのものの停滞なのかは、分からない。ただ、CESという展示会そのものが、何か踊り場に入っているようではあった。だとしたら、そうした中で「日本勢が弱い、韓国勢が元気だ」と論じることにも、あまり意味はないのだろう。

 これを過渡期的な現象と片付けるのは簡単だ。しかし仮にそうだとして、どこからどこへ向かおうとしている過渡の状態なのか、それがはっきりしない。単に、産業内のパラダイムシフトなのか、あるいは産業構造そのものの変化なのか。さらには、先進国から新興国への主役交代という、21世紀の世界的な構造変化なのか――今回のCESでは、それが見定められなかった。

 今回確実に感じられたのは、CESそのものも含め、何かが大きく変わろうとしている、ということだけである。ラスベガスの街は相変わらず華やかだったが、ネオンきらめく大通りを歩く私の心は、最後までモヤモヤしたままだった。

previous page
6
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

⇒バックナンバー一覧