「お金が自然に寄ってくる人」の考え方とは?
佐藤 Z世代の若者が、『投資家の思考法』をこぞって読んでいます。なぜかというと、思考法が理論的かつ普遍的で、自分の抱えている問題に引き寄せて考えられるからだそうです。「投資を始めてみよう」という意欲が高まった人も少なくありません。
奥野 それは素晴らしいですね。投資は早く始めるほど「複利」が大きくなっていくので、できるだけ早期に少額でも積み立てをスタートすることが大切です。
「うさん臭いからやらない」「もう少し勉強してから始める」などと言って先延ばしにしてはいけません。お金を無理なく増やしていくために、「時間がお金に変わる」という発想を持ちましょう。
佐藤 受験勉強と同じで、「明日からじゃなくて、いましなさい」ということですね。
奥野 まさにそうです。いまやっている人の勝ちなんです。
これからの時代は数学と英語が不可欠
奥野 強い産業があまりない日本は、完全な曲がり角に来ています。個人的には、教育に活路を見出すべきだと感じています。
佐藤 私も同感です。日本の教育水準は非常に高いですが、現行の受験制度だと歪みが生じてしまいます。
例えば、文系の人は、数学が全然できなくても大学に行けますし、理系の人は英語が得意でなくても数学さえできれば、入学試験はパスできます。
しかし、理系の分野では、英語で論文を書かないとほとんど意味がありませんし、最新の情報は基本的に全て英語で公開されます。なので、大学入学後に英語をイチからやり直さないといけない。これは大変な時間のロスですよね。
奥野 おっしゃる通り、日本の従来の制度だと文系と理系の断絶が深く、子どもたちの可能性を狭めてしまっています。文理を問わず、数学と英語が両方できないと、これからの社会で活躍するのは難しいですね。
佐藤 投資についての教養も同じく重要です。長年かけて貯めた銀行預金を老後に全部取り崩していく人生設計、あるいは公的年金に頼るモデルは、今後は立ち行かないですから。
奥野 状況の変化が目まぐるしく、「円がこの半年で3割減価した」というような事態が、いまや普通に起きる世界です。各自で“自分年金”を作らないといけないので、ポートフォリオをきちんと分散しておきましょう。
(本稿は、ダイヤモンド社「The Salon」主催『投資家の思考法』刊行記念セミナーのダイジェスト記事です。「The Salon」の公式Twitterはこちら)