SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「自分は普通だ」と思うバイアス
あなたはおそらく、「日本人はみんな、基本的な学力は満たしている」と思い込んでいると思う。
自分ができることは、他の人にもできると思い込んでしますわけです。
学力で言えば、偏差値50くらいの人が世間の大多数になるのですが、それに満たない人だってかなりの人数がいます。
実際には、「読み書き計算ができない人」がいるんですよね。あなたが思っているよりも多くの人数だと思います。
「できない人」を想像しないといけない
読み書きが困難な人は「ディスレクシア」と呼ばれ、日本人の8%が該当すると言われています。40人のクラスに3~4人はいるわけです。
また、簡単な算数の文章題や国語の読解問題でも、日本人の3人に1人は理解できていないということも話題になりましたよね。
さて、その事実を想像できているでしょうか?
人は、進学や就職でふるいにかけられます。社会に出るまでの過程で、学力の差が見えなくなっていく仕組みになっています。
東大生の当たり前と、高卒の人の当たり前のあいだには、どうしてもバイアスが生じてしまいます。
「自分は普通だ」という思い込みが、それぞれの集団内で生じるわけです。
そうして社会に出て行き、世の中に向けて商品やサービスを提供するようになります。
一度、分断されてしまった人たちが、また同じところ出会います。そのときに、高学歴の人には大きな壁が立ちはだかります。
「書けばわかる」と思うなよ
あまり世間を知らないまま社会に出ると、
「こういう説明でわかるだろう」
「この程度のことは理解できるだろう」
という常識のズレを感じるはずです。それを避けるには、先ほどの「想像力」を働かせるしかありません。
「これって、字が読めない人にもわかるだろうか?」
ということを1秒でも考えてみるといいと思います。
日本の製品は、「説明書が分厚い」という特徴があります。たくさんの機能を付けて、「ちゃんと説明書に書けばわかってくれるだろう」という期待をしてしまいます。
このとき、「日本語の読めない日本人」の存在を忘れてしまうんですよね。
「説明すればわかる」と思っていることは、実際には伝わっていないわけです。
ちなみに、この問題を解決するのは、「デザイン」の力です。トイレやお風呂は、説明書を読まなくても、どこを押せば水が流れるのか、何をすればお湯に切り替わるのかが、なんとなくわかるようになっていますよね。
こういう努力が、あなたにも求められるんです。
注文方法が難しそうなお店は、なんとなく入りにくい。敷居の低さがパッと見で伝わらないといけないし、難しそうな機械でも究極的には「説明書なしで操作できる」ということがゴールなんですよね。そういう考え方を身につけ、バイアスに気づくようになりましょう。