「いま、何を買ったら儲かるのか」と聞く人は少なくない。こうした人の多くは、投資は「タイミングを見計らって売買すべき」と考えているだが、タイミングを見計らった投資で利益を出し続けることは、じつはプロでも難しい。一方で、投資信託の「つみたて」投資ならいつでも「今」がはじめドキだ。
下落局面も味方にできるのがつみたて投資のメリット
1ドル=150円に迫ろうとしている円安や、日米株のさえない動きをみていると、いつ投資を始めたらいいのかで迷って行動がストップしてしまっている人も多いだろう。こうして買いタイミングを探している間に時だけが過ぎていくのはよくあること。
しかし、投資信託を毎月や毎日の定期的に定額ずつ買っていく「つみたて」投資なら買い時を選ぶ必要がない。
図のように、投資信託のつみたて投資を長期で続けていれば、たまたまリーマンショック前の相場の高値圏から始めて、その後に大きな下落に見舞われたとしても、いまではしっかりと利益を出すことができている。下落局面で買い続けることで、多くの口数が買えるため、その後の上昇局面では資産アップの原動力になるからだ。下落局面も味方にできるのがつみたて投資のメリットだ。
また、つみたて投資は、金額などを設定してしまえば、自動的に投資を続けてくれるので、買いタイミングに気を使わなくて済む。
ちなみに、つみたて投資は毎月1000円や1万円からできるため少額投資家にとっても便利だが、多くの資産を保有している人でも、利用価値は大きい。たとえば1500万円の退職金をもらった人が半分の750万円を投資する場合、月々25万円ずつ30ヵ月かけて買うのもいい。自分の相場観に頼った売買をやめるだけでリスクを抑えられるのだ。
長期での上昇が見込める投資先への投資が重要に
ただし、せっかく長期でつみたてを続けても、最終的に引出す時点の価格がつみたての平均価格を下回っていれば、損をしてしまう。
つまり、つみたてをする投資信託を選ぶ時に重要なポイントは、長期的に価格が右肩上がりになるかどうかということになる。このため、短期的に注目されて上昇するテーマ型の株式型投資信託などはつみたてには向いていない。
相場観に頼らず、世界の成長を幅広く捉える国際分散投資が、老後などの資産を形成するつみたて投資には向いている。
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