指数への連動を目指すのがインデックス型だ。指数を見ているだけで投資信託の値動きがわかり情報も得やすい。では、そのインデックス型に潜むワナとは?

最安のインデックス型投資信託を買うだけじゃダメ!成功する長期投資家がやっていることいつの間にかに自分の保有投信より大幅にコストが安いインデックス型が設定されていることも! イラスト=山崎真理子

インデックス型を買うなら信託報酬が低い投資信託を

 まず、投資先が同じ投資信託の中からインデックス型を選ぶなら、運用コストである信託報酬が最も低い投資信託を選ぶべきだ。それは一度に買って長期で持つにしても、少額ずつ積立をするにしても同じだ。

 たとえば日経平均との連動を目指すインデックス型投資信託の信託報酬と運用成績を比較すると、信託報酬の低い投信のほうが、運用成績が良好なのだ。したがって、インデックス型投資信託を買うなら、信託報酬の低さに注目しよう。

 そして、低コストのインデックス型を選んだとしても放置して安心し切ってはいけない。

「最も低コストのインデックス型を選んだのにどうして?」

 こう思った人も多いだろう。

 その理由は、最も信託報酬が低い投資信託を選んだとしても、それは買った(積立を開始した)時点での話で、それ以降に信託報酬がさらに低い投信が新たに登場している可能性があるからだ。投資信託業界も、運用コストの引下げ競争が行われている。

低コスト投資信託もほったらかしは要注意

 左ページ表が低コストのインデックス型シリーズの最新の信託報酬だ(2022年5月末時点)。PayPay投信が21年に日本株型、22年に米国株型の最安の投資信託を設定した。また、この表以外にも、販売会社が野村證券とLINE証券に限られるが、先進国株型で、信託報酬が0%の「野村スリーゼロ先進国株式投信」が22年に設定され業界に衝撃を与えた。三井住友トラスト・アセットマネジメントが22年3月に設定したSMTシリーズも低コストで話題を集めている。

 インデックス型の成績には信託報酬の影響が大きいことを考えると、信託報酬がより低い投資信託が設定されていないかを定期的にチェックすることが重要だ。大幅に信託報酬が低い投資信託があれば、乗換えることも検討すべき。ただし0.1%程度の差なら、過剰に神経質になる必要はない。0.2%以上の差となると長期では運用成績に無視できない影響が生じる。より低い投資信託に乗換えよう。

 考えてみてほしい。信託報酬というのは投資信託を保有している間、毎日かかるコストだ。これから先も長期間にわたって保有や積立を続けるとしたら、その額はバカにできない。

 最後にインデックス型投資信託の評価について触れておこう。インデックス型は、指数にちゃんと連動しているかどうかを見ることが重要だ。ブレが大きいと成績を把握しにくくなるからだ。もちろんこのブレには、信託報酬の高さも影響するのだ。

最安のインデックス型投資信託を買うだけじゃダメ!成功する長期投資家がやっていること0.1%程度の違いならこだわらなくてもいいが、0.2%以上の差となると長期の運用成績のへの影響は無視できない。(データ=22年5月末時点)
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