昨年まで人気を博した「レバナス」などのレバレッジ型の投資信託。レバナスとは、米ナスダックの倍動くように設計されている投信のこと。昨年までナスダックが大きく上がっていたため、その倍以上の成績が狙えることで人気に。ナスダック以外を対象としたレバレッジ型も併せて人気だった。相場が反転した今、はたして成績は?
指数の数倍動く投信で反対に動くと大きく下落
ネット証券などの買付け額上位などにも、レバレッジ型のインデックス型投信が名を連ねている。代表的な投信は「iFreeレバレッジNASDAQ100」や「iFreeレバレッジS&P500」「楽天日本株4.3倍ブル」など。このような、「レバレッジ」や「ブル」という名前がついている投信を、耳にしたことがある人も多いのでは?
ただし「『インデックス型』だし人気もあるから」という理由だけで初心者が安易に手を出すのは要注意だ。
レバレッジ型は、対象指数の値が上昇した時に、その“数倍上昇”する投信だ。何倍上昇するかは、投信ごとに違う。対象指数が上昇している時は、その指数の上昇率の数倍の成績が狙える。「大儲けできそうだから買いたい!」と思ったそこのアナタ。その分、リスクも大きいので気をつけてほしい。
1つ目のリスクは、指数が下がってしまうと、基準価額がその数倍も下がるということ。期待通りに指数が上がっている時はいいが、一転指数が下がる局面では指数の下落率以上に損するのだ。
もみ合い相場に弱い!ズルズルと下がる
2つ目のリスクは、“数倍に連動”するのは、日々の値動きに対してということ。指数が日々上下する状況で保有し続けると、ズルズルと下がってしまうという性質がある。つまり、もみ合い相場に弱いのだ。長期にわたって一本調子で上昇する局面でない限り、利益を得るのは難しい。短期的に利益を得て、売り抜けられる人はいいが、長期で保有するのには向かないのだ。
ここ数年上昇トレンドが続いていた米国株は、ウクライナショックなどで22年初めから大幅下落へ。「iFreeレバレッジS&P500」の基準価額は半年で20%も下落している。資産の中核に据えるのではなく、一部で分散として投資するのが正解だ。
「インバース」「ベア」は指数が下がると上がる投信
一方で、「インバース」や「ベア」と名がつくのは、指数が下落すると、基準価額が上がる投信のこと。たとえば、「日経平均ダブルインバース・インデックス」は、日経平均が下落すると、その下落率の2倍(ダブル)上昇する投信だ。相場がいまよりも下落すると予想できる指数を買って、思惑通り下がれば儲かる。
これも、上がるか、下がるかが違うだけで、「レバレッジ型」や「ブル型」と仕組みは同じ。初心者は値動きが大きいので注意。短期投資で割り切って投資しよう。
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