短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが木下氏の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本書から一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。
「足かせ」さえ外せば、
すぐに劇的な成果を上げられる
あなたはすごい長所を持っている。
すばらしい武器を持っている。
ただ、誰もが恵まれた長所を持っているのに、成果が出ないと悩んでいる。
「なぜだろう?」と多くの人が思っているだろう。
実は、そこには明快な理由がある。
成果が出ない人は長所や能力がないのではない。
たとえるなら、俊足ランナーの両足にはめられた「足かせ」のようなものがあるのだ。
「足かせ」があるのであなたの長所が発揮されず、「宝の持ち腐れ」に終わっているのだ。
実にもったいない。
でも、あなたは「足かせ」さえ外せば、すぐに劇的な成果を上げられる。
「成功しそうだけどしない私」と
「できる社長」とは何が違う?
実際、私は「すぐやる人の思考アルゴリズム(考え方のクセ)」を身につけたことで、足かせを外せた経験がある。
大学卒業後、リクルートの大阪・難波営業所で求人雑誌の広告営業をやっていた頃の話だ。
当時はお世辞にも優秀ではなかった。
悪い意味で「意識が高いだけの人」だったのだろう。
セミナーに行ったり、ビジネス書を買い込んだりして、頭の中にたくさんのビジネス知識を蓄積していった。
そして、
「仕事柄、数百人もの経営者と話をしてみたが、自分は対等に話ができる。社長といっても考えていることは自分と大して変わらない。学べることはあまりなさそうだ」
と思っていた。
だが、それはすぐに大きな勘違いだと気づいた。
確かに、いろいろな社長と同レベルで話せているかもしれないが、立場がまるで違う。
目の前の社長は成功しているが、自分は何も成し遂げていない一介の平社員。
その差はどこからくるのか?
あるとき、話す内容は同じなのに、実行に移している率がまったく違うことに気づいた。
商談中に社長と「こんなことをやったら面白いですね」と盛り上がる。
しかし、私は話だけで何も行動しない。
だが、社長たちは、次に会ったとき必ず何か実行したうえで、
「君のアイデアのこれはよかったけど、これはダメだった」
と言ってくる。
世の中には3種類の人がいる
ここで気づいた。
世の中には3種類の人がいる。
「成功する人」
「成功しそうだけれどしない人」
「成功しない人」
だ。
「成功しそうだけれどしない人」は、話す内容は「成功する人」と同じだが、行動は「成功しない人」と同じ。
どれだけ立派なことを話しても行動しなければ成果は出ない。
私はそれだったのだ。
一方、成功している社長はアイデアを10個思いついたら、10個実行していた。
自分は10個思いついても、せいぜい1個しか実行していなかった。
これが、当時の私のウィークポイントだったのだ。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)