ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
コロンビアってどんな国?
コロンビアは、南アメリカ大陸の北端に位置する国です。西側は太平洋、北側はカリブ海に面し、パナマ、ベネズエラ、ブラジル、ペルー、エクアドルと国境を接します。
南米には、先住民、ヨーロッパ系、アフリカ系、混血の割合がそれぞれ高い国があります。コロンビアは混血の割合が75%を占める、混血の住民が多い国です。混血のなかでも先住民とヨーロッパ系の混血メスチソが人口の6割近くを占め、ヨーロッパ系とアフリカ系の混血ムラートが人口の14%、そして先住民とアフリカ系の混血サンボが3%程度となっています。
混血が多いと人種差別は比較的少ないとされ、先住民、ヨーロッパ系、アフリカ系といった区分は、南米全体に共通しているものの、とくに混血の多いコロンビア共和国では人種や民族の区分が意味をもたなくなっています。
その一方で、二大政党の対立を背景に、左翼ゲリラ組織とコロンビア政府との内戦が50年以上続き、治安は不安定でしたが、2016年以降は和平に向かっています。
世界有数のコーヒー豆生産国
この国の経済を支えているのは、原油や石炭といったエネルギー資源で、輸出額に占める割合は高いです。ほかにも、コーヒー豆の生産も、ブラジル、ベトナムに続いて世界第3位(2019年)です。
日本への輸出額に限れば、輸出額で最も多いのはコーヒーで、日本への総輸出額の4割近くになります(2016年)。コロンビアは赤道付近に位置しますが、昼夜の寒暖差が大きいコーヒー豆栽培に適した高地が多い国です。
コロンビア共和国
面積:113.9万km2 首都:ボゴタ
人口:5035.6万 通貨:ペソ
言語:スペイン語(公用語)、先住民の言語
宗教:カトリック79%、プロテスタント14%
隣接:パナマ、ベネズエラ、ブラジル、ペルー、エクアドル
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)