旧統一教会問題でまた出た「日本人の悪癖」、大騒ぎして“みそぎ”は済んだ?写真はイメージです Photo:PIXTA

いつものように「一時の流行」だった
旧統一教会に飽きた人々

「反日カルトをつぶせ!」「日本から追い出すまで徹底追及しろ!」と叫んでいた人たちは、いったいどこへ消えてしまったのか――。

 マスコミで朝から晩まで大騒ぎをしていた「旧統一教会問題」の報道がまるで「タピオカブーム」のように終焉してしまった。タピオカミルクティー同様、あまりに氾濫したことで消費者に飽きられてしまったのである。

 およそ1カ月前、FRIDAYデジタル(『旧統一教会問題「放送大幅減」のウラに訴訟より深刻な視聴率低下』、11月13日)が報じたところによれば、報道の激減は、旧統一教会が専門家や報道機関を次々と訴えたこともあるが、それよりも視聴率が取れなくなったことが大きいという。

 手前みそだが、このような状況になることは今年8月時点で本連載の中で以下のように指摘させていただいていた。

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 30年前にワイドショーで連日大騒ぎをしていた「統一教会」の被害が、いつの間にやら忘れ去られていたように、日本人は基本的に熱しやすく冷めやすく、しかも「忘れっぽい」からだ。

 日本人は「どれだけ叩いてもいい」という対象ができると、お祭りのように盛り上がって、相手を自殺に追い込むくらいのリンチをする。一方で、日頃のストレスが発散されてしまうと途端に興味を失ってしまう傾向がある。そうなると、ワイドショーも視聴率が取れないので扱わなくなり、人々も忘れてしまう。

 今回の旧統一教会批判も、そんな「いつものパターン」のにおいが漂う。
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『爆笑問題・太田氏を統一教会「擁護派」と糾弾する日本人に、既視感しかない理由』

 30年前から霊感商法や高額献金などの被害が報じられていたにもかかわらず、安倍晋三元首相が殺害されるまで放置され続け、今もなんとなく収束してしまっている。これは、そもそも国民がこの問題を「タピオカブーム」のように「一時の流行」のように消費している部分があるからだ。