カードリーダーの設置が進むと
マイナ保険証での受診が主流に

 マイナポイント第2弾の付与対象となったマイナ保険証は、以前からある健康保険証の代わりに、マイナンバーカードの個人認証機能を使って、病院や診療所、薬局で、本人確認や加入している健康保険組合の特定などを行うシステムで、2021年10月から本格的に運用が始まっている。

 だが、このシステムを普及するためには、全国の医療機関で、マイナンバーカードに書き込まれた情報を読み取れるようにしなければならない。そこで、国は、医療機関に対する補助金制度を作って、カードリーダーなどの設置を進めるとともに、2022年度の診療報酬改定で、国民に対してもマイナ保険証の利用を促す誘導策がとられることになったのだ。

 本連載の第247回で書いたように、現在、マイナ保険証に対応している病院や診療所、薬局を利用した場合は、健康保険証よりも、マイナ保険証を利用した方が、医療費が若干安くなるような診療報酬体系となっている。

 たとえば、マイナ保険証に対応している病院を、初めて受診した場合の初診料は、従来の健康保険証で受診するより、マイナ保険証で受診した方が、1カ月の医療費が全体で20円(3割負担で6円)安くなる。

 現状では、マイナ保険証での受診が有利になるのは、マイナ保険証に対応できる設備が整っている病院や診療所、薬局だけで、カードリーダーなどの設置が済んでいない医療機関では、従来通りに健康保険証で受診することになっている。

 ただし、厚生労働省は、23年4月までに、すべての病院や診療所、薬局に対して、マイナ保険証による健康保険の資格確認システムを導入することを義務付けている。そして、2024年の秋をめどに、現行の健康保険証を原則的に廃止し、マイナンバーカードの個人認証機能を使った「マイナ保険証」に一本化する方針を打ち出している。