誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
自分と他人の評価には温度差がある
自分自身が思っている印象と他人からみた印象には、けっこうギャップがあるものです。人はどうしても自分に甘くなりがちです。まわりからみた等身大の自分に比べて、過大評価してしまいがちなので、自分が思う以上に謙虚に自己評価したほうがいいです。
一方、その逆のパターンもあります。自分では当たり前にできていることだから、とくに意識していないけれど、まわりの人から高く評価される。たとえば、淡々と仕事をこなしているつもりだけれど、「いつも涼しい顔をしているけれど、なぜあんな大量の仕事をそつなくこなせるんだろう」とまわりから一目置かれることもあります。
アテクシのTwitterでも、自分では当たり前に思ったことを、あまり意識することなくツイートしたものが、大きな反響をいただくこともあります。逆に、自分では「これはいい言葉だ!」と思ったツイートが、意外に反響を得られないこともあります。
結局、やってみないとわからない
こうした自分と他人の印象の違いは、いろんなことに共通します。たとえば、会社や学校でのレポートや発表、あるいは商品やサービスの企画も、いろいろと検討して形にしてみたものの、なんとなく自信がもてないこともあるでしょう。
でも、自分と他人の印象は異なります。だから、最善を尽くすためにも、できるだけ多くの人の意見を聞いてみることが大事です。とはいえ、他人の意見に流されるということではありませんし、他人の意見を聞くとしても限界があります。
結局のところ、結果がどうなるかは、やってみないとわからないものです。会社の商品やサービスのように、多くのプロの議論と多額の研究開発費をつぎ込むこともありますが、それでもリリースしてみないと結果はわかりません。
プロの世界でも
成功するのは1000に3つ
マーケティングの世界では「千三つ(せんみつ)」という言葉があります。商品やサービスをリリースしてもヒットするのは「1000件のうち3件の確率」ともいわれています。実際の確率は、もう少し高いようにも思いますが、たとえば飲料の商品開発をみても高い確率で失敗しているようです。
プロの世界でも失敗はつきものなのですから、最善を尽くすとしても、最終的には「エイッ! ヤー!」と思い切れば、勇気も出てきます。
成功は“結果論”で語られるもの
世の中には大ヒットする商品やサービスがありますけれど、結果論として「こうした要因があったから成功した」と分析されたりします。しかし、その要因を真似しても、同じような成功が再現されるとは限りません。成功の法則がわかっていれば、100%ヒットするはずですが、そういうことはないのです。
うまくいかなければ、うまくいかなかった点をきちんと分析して、次につなげればいい。すべてうまくなんてことはありません。ある程度、数をこなして経験値と感覚を研ぎ澄ませていけば、いずれ必ず大きな反響を得られる。そう信じて果敢にチャレンジし続ける人だけが、成功体験を得られるのだと思います。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。