高年収&高収益 勝ち組企業大解剖!儲けの秘密と本当の待遇#7Photo:baranozdemir/gettyimages

産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)の恩恵を受けるITサービス業界。ただ各社のビジネスモデルや強みを持つ分野は異なり、「年収ランキング」を見ると二極化が浮き彫りになる。特集『高年収&高収益 勝ち組企業大解剖!儲けの秘密と本当の待遇』(全18回)の#7では、業界トップアナリストの分析に基づき、「待遇格差」を分ける要諦を明らかにするとともに、この先も安定成長を続けそうな“安泰ベンダー”の実像に迫った。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

20社中3社が年収1000万円超!
「安泰ベンダー」最右翼とは?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の大ブームはまだまだ収まりそうにない。企業のデジタル投資が拡大中で、ITサービス業界は空前の好業績に沸いている。

 しかし、当然だが、そこには明暗がある。働く先としても投資先としても、注意深く見なければ、わなにはまってしまう。

 例えば最近では、DXにかこつけて業界内に新たな「カタカナポジション」が乱立気味。従来なら「営業」の肩書だったSIer(システムインテグレーター)担当者が「~コンサルタント」に名刺をくら替えするなど、“経歴ロンダリング”が流行中。「コンサル=高級」と飛び付いたら、痛い目に遭うだろう。

 そして、投資先として考える場合も要注意。一口にITベンダーと言っても、多種多様で、格差があるからだ。ITコンサルティングに強い会社、受託開発が中心のSIer、パッケージソフト販売が多くを占めるなど、各社のビジネスモデルや強みは異なる。

 例えば以前、『NTTデータ・野村総研…DX勝者は一握りで「御用聞きベンダー」は淘汰へ、IT業界の5年後』で紹介したように、総花的で強みが不明瞭な“百貨店型”では、今後厳しい立場に追い込まれるとの見方もある。

 そこで次ページでは、その真贋を見極めるため、主要上場ITサービス企業20社について、直近の期の平均年収でランキング。すると3社が平均年収1000万円超えとなり、5期前から年収100万円超アップを果たした会社も3社あった。

 ランキング結果や業界トップアナリストへの取材を通じ、今後も安定成長を続け、堅実な将来性が描けそうな「安泰ベンダー」最右翼が浮き彫りに。さらに、シニア従業員に手厚い意外なベンダーも判明した。加えて、業界内で知名度や就職人気が高い野村総合研究所とNTTデータについては、給与のみならず、人事評価などを巡り働き手の率直な声を厳選して紹介。すると両社には、年収以外の待遇において大きな共通項も浮かび上がった。

 富士通とNECは上位に食い込めなかったが、ある条件を満たせば「平均年収1000万円を超えるような大企業になる底力はある」と専門家はみる。他にも、日本オラクル、電通国際情報サービス、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、大塚商会、TIS、オービックなどの順位はいかに?