しだいに起き上がる元気もなくなり、体がひたすら布団にめり込んでいく感じがして、上体すら起こせない日が何日も続きます。何もできず、寝たきりの状態になっていったのです。

病名がつかないという苦しさ

 いつまでも変わらない症状。けれど、どんな病気かわからない……。私は病名を知りたくて、何軒もの病院を訪れ、そして何回も検査を受けました。

 血液検査、脳のCTスキャン……。けれど、いくら検査しても異常が見つかりません。発熱やひどい痛みなどの症状は確かにあるのに、検査で異常が見つからないので、どの病院でも何の病気かさっぱりわからないのです。

 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と診断されるまでの私は「もしかして今日は病名がわかるかもしれない」と、かすかな望みを持って重たい体を引きずっては、次々に病院を梯子していました。

 脳の問題を疑って脳神経外科へ、筋肉の激痛があるから整形外科へ、膠原病を疑って内科へ、リウマチを疑って専門医のところへ。もしかして若年性認知症では……?と思い、検査を受けたこともあります。けれど、どの病院に行っても異常は見つからず、医師たちには「気のせいだろう」「ストレスではないか」と言われたことを覚えています。

 いろいろと自分でも調べていくうちに「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」という病気があることを知ったので、言うだけは言ってみようと、医師の前でこの病名を口にしたことがあります。

 すると、

「そんな病気はない!慢性疲労だって?みんな疲れてるんだよ。そんなことを言って、旦那さんが気の毒だろうが!」

 大声で怒鳴られたのです。

 私が発症してからずっとそばで世話をしてくれたのは夫と娘です。夫に迷惑をかけていることは、この私が一番わかっているのに!悲しさと悔しさで涙があふれたことは忘れたくても忘れられません。