やっと病名がついたものの…
発症から2年ほど経ったあるとき、夫が「やっぱり、母ちゃんの症状、慢性疲労症候群に全部当てはまるよ」と言ってくれ、診察してくれそうな病院を懸命に探しだしてくれました。
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を診てもらえる病院は、私の住む地域にはなく、一番近い病院でも家から高速道路を使って2時間ほどかかったのですが、夫の運転する車で向かうことに。
日の光で目が痛むので光を防ぐためにアイマスクをし、さらに、騒音がすると耳が痛むので耳栓をして、夫が運転する車に乗り込みました。後部座席に横になっていても、体中が痛くて冷や汗が出てきます。
なんとか病院に着いたものの、病院でも起き上がることができず、待合室で体を丸めて横向きに寝ていました。
私ではうまく応答ができないぐらいの状況だったため、夫から症状やこれまでの経緯を説明してもらった上で、診察を受けたところ
「慢性疲労症候群ですね。今まで大変でしたね」
医師にそう言われ、やっとこの痛みやだるさは病気なんだとわかり、ほっとして涙が出ました。
やっぱり病気だった、気のせいなんかじゃなかったんだと。
病気とわかってほっとするなんて、変かもしれません。しかし、検査をしてもわからない不調がずっと続いていたので、病気であることがはっきりしてうれしかったのです。
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群という診断を受けるまでに2年以上が経過していました。
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群という診断を受けるまでに2年以上かかってしまった横山さん。筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群は専門医がきわめて少なく、横山さんのように診断にたどり着くまでに数年かかる人も少なくありません。ここからは、普段からこの病気の診断・治療を行っているナカトミファティーグケアクリニックの中富康仁院長から、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群についてより詳しく解説していただきます。