話を聞いても、最初から本音を話さない場合もあるため、意識して本音を聞き出す必要があります。

 何を言っても組織が変わらないと何度も会社の愚痴を言う人がいますが、そんな部下に対しては、上司である自分が経営陣に提言して、現実を変えるということを示すようにしましょう。

 上司がきちんとエクスキューズしてあげることで、無理に議論が繰り広げられることなく、「これは僕の仕事なので僕がやります」と宣言してもらえるのです。

 その結果、「やれと言われたからやりますけど……」という中途半端な状態で始めて、後から「本当はやりたくなかったんですよね」などと、後出しの不満が噴出する事態を回避できます。

 つまり、後出しカードを出せなくするのです。

 またこうすることで、発言に責任を持たせることもできます。

Point:本音を引き出すにはこちらから本音で話す。

「高さ」と「期間」の目標設定が
正しい評価につながる

 部下を適切に評価することは、大きな信頼へとつながります。

「君はすごいね!」「おめでとう!」などと、その場の雰囲気で伝えるだけではなく、部下の行為に対して具体的な言葉で正しく評価してあげることが大事です。

 それが、「あなたをちゃんと見ていますよ」「評価していますよ」と伝えることになり、部下は「自分が認められている」と安心して頑張ることができるからです。

 では、どうすれば部下を正しく評価することができるのでしょうか。

 正しい評価をするには、適切な目標設定が重要です。達成できない目標を設定してしまうと、部下は混乱し、悪い状況を招いてしまいかねません。

 よくあるのが、「昨年度の売上が10億円なのに、なんで今年の目標が20億円なの?」などと、無理な目標設定になっている状態です。

 やる気を失ってしまってもおかしくありません。

 また、達成できなかったときに部下自身の責任ではないと判断してしまいます。それではせっかくの経験が身につきません。こうした事態にならないようにする必要があります。