目標設定を「高さ」と
「期間」の二軸で設定する

 目標設定をする際は、「高さ」と「期間」の二軸を設けるようにしましょう。

 具体例を挙げてみます。

 売上目標を100億円と設定した場合、これは「高さ」に該当します。

「期間」は、「12カ月後」「24カ月後」「36カ月後」など、現状を踏まえて設定していくのがポイントです。

 この期間をきちんと定めていないと、現場の人間は「いつか達成できればいい」、極端な話、「100年後に達成すればいい」などと考えてしまうことになります。

 それでは、上司と部下の間でコンセンサスが得られず、「なぜ達成できないんだ!」「とりあえず20億円目指して頑張っています」などと、危機感の相違が生まれ、コミュニケーション不和につながってしまいます。

 その結果、正しい評価ができないことになるわけです。

「適切な目標の設定方法」の図「適切な目標の設定方法」の図。目指すべき距離(高さ)とかけられる時間(期間)を決めて共有しよう。 出所:本書 拡大画像表示

 そうならないよう、現状を踏まえた高さと期間を設定し、共有することが大切です。

 算数における「はじきの法則」のように、目指すべき距離(高さ)とかけられる時間(期間)が決まれば、自ずと実現スピード(速度)も見えてきます。

 それらの目標に対し、部下が達成できているかどうかを見ながら、上司は部下を評価するべきです。

 高さと期間が決まっていれば、「今週の目標」「今月の目標」「今期の目標」なども明らかになり、日々の評価もしやすくなるでしょう。さらに、状況を見て、部下の配置や動きを修正することも可能です。

Point:適切な目指すべき距離とかけられる時間で目標を設定する。