ランキングでは、大規模1位がシスコシステムズ、中規模1位がコンカー、小規模1位があつまるという結果になった。以下の表は、各規模のランキング上位5社である。

「働きがいのある会社ランキング」で見る、社員の働きやすさの必要条件とは?「働きがいのある会社ベスト100」より各部門の上位5社を抜粋。GPTWジャパンの資料を基にヴァーティカルメディア編集部作成
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 各1位の会社の具体的な取り組みと評価ポイントは次の通り。キャリアの自律やフィードバックといった個人の潜在能力を最大化する施策と、社内で価値観(バリュー)を共有できているのが特徴的だ。

●大規模1位:シスコシステムズ

 約50人の有志チームが日々の業務の垣根を越え、働きがい向上施策に取り組んだ。(1)視野を広げ、キャリア自律を促すMentoring/Shadowingプログラム、(2)生産性向上のため、会議やチャットをせず自身の業務のための時間を一斉に取る「Focus hours」、(3)対話の質を高めるための「聴く」教育、(4)互いに認め合うための全社推薦・投票による表彰などを行った。その結果、「すべての人にインクルーシブな未来を実現する」というパーパスの通り、多様な構成員の全員の働きがいが非常に高いレベルとなった。サーベイから収集された声に耳を傾け、取り組みを継続してきた成果といえる。

●中規模1位:コンカー

 部下、上司、同僚、他部門すべての関係を対象にした全方位型のスタイルで、課題や改善すべき点を伝える「ギャップフィードバック」と、長所や努力を認める「ポジティブフィードバック」を組み合わせている。耳の痛い話も成長へ転化させる能力(コーチャビリティー)の向上が特徴で、組織内のフィードバック浸透を推進。「働きがいを高めることは経営戦略である」という考えの下、ビジョンやコアバリューとつながりのある数多くのオリジナルの施策が展開されている。経営トップ自らブラッシュアップ、実践に関与している施策も多く、「仕事に行くことが楽しみ」「安心して働ける」などの評価も高い。

●小規模1位:あつまる

 稲盛和夫氏の経営哲学を参考に、大切にしている価値観を「フィロソフィBOOK」という冊子にまとめて社員や採用候補者に配布。毎月開催する全社ミーティングでは、この冊子の価値観や会社のビジョンを全社員に共有している。社員一人ひとりが会社の経営計画に連動した個人ビジョンをシートにまとめ、ビジョン実現のために挑戦し続けることで働きがいを高めている。「全従業員のビジョンの集合体=会社の経営計画」とすることで、従業員一人ひとりが自身のビジョン実現のために働き、やりがいを感じている。自社独自の福利厚生も充実しており、働きやすさも高く評価されている。