誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるvoicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />結果重視のストイックさが身を滅ぼす根本理由

仕事は結果がすべて?

仕事において「結果」と「プロセス(過程)」のどちらが大事か――これまでさんざん議論されてきたことですが、人によって意見の分かれるところです。結果を出さなければ意味がない。いやいや、プロセスを軽視するとノウハウが蓄積されにくい。どちらの側の意見も、正論が含まれています。

どちらか一方だけが正しいという二元論ではなく、両方とも大切なことではありますが、ビジネスでは結果重視の傾向が強いでしょう。民間企業は営利を追求する組織ですから、いくらプロセスがよくても、結果を出さなければなかなか評価は上がりません。

結果だけでなく、成長にこだわる

もちろん、結果はプロセスをともないます。成功しても失敗しても、プロセスを検証して次に活かすか活かさないかは、長い目でみれば結果に大きく影響してきます。また、極端に結果だけにこだわる偏った思考は、心身を疲弊させます。

だから、上司の立場にある人が、結果を出す人は称賛し、結果を出さない人は非難していると、組織全体がプロセスを重視しない体質になり、弱体化しかねません。組織の弱体化は、結果として上司自身の首を絞めることになります。

結果を生むプロセスを重視する

結果には必ず原因があります。結果が出にくい人はプロセスをふり返って検証してみるというアプローチが有効ですし、場当たり的に結果を追い求めるような傾向が強い人は、結果を出してきたプロセスを見直して、自分なりに成功の方程式のようなものを築いていけば、より安定して結果を出せるようになるかもしれません。

はじめから成功する人もいれば、10回に1回しか成功しない人もいます。頑張ったのに結果が出なかったら、その1回だけで諦めてしまう人もいますが、そこは頑張った自分を褒めてあげて、もう1回頑張ってチャレンジしてみるように促す。結果が出たら、結果が出たで、自分を褒めて次につなげる。

短期的な視点でみると、結果重視になりがちですが、より長期的な視点でみれば、プロセスを大事にすることで結果がついてくるということですね。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。