「プレミアム付き商品券貧乏」にならないために

 実は、筆者は毎年この時期になると北谷に行く。それもあって「北谷デジたんたん券」を知っていたのだが、使い方にはずいぶん悩んだ。手元には4枚の引換券がある。これを使って8500円券と1万7000円券のいずれかを購入できるが、残高を余らせるともったいないので8500円券にしておく方が無難だろう。次に、使い道として3回分の夕食に使うとして、1食につき1万円前後と仮定するなら、滞在中では3万円を消費する。では最初に8500円券を3枚、合計2万5500円を買っておくべきか、いや、まず1枚8500円を買って、実際に使ってみた上でまた追加購入するべきか――。無駄にしたくないと思えばこそ、ずいぶん悩んだ。

 たかが商品券購入だが、「先払い」で払い戻し不可、かつおつりが出ない商品券を買う場合は慎重になるしかない。「プレミアム商品券貧乏」にならないためには、次のことに気を付けたい。

●使う場所と目的をざっくり決めておく

 おトクだから目いっぱい買う、では不要な消費をしてしまいかねない。食費や日用品など、生活必需品に使いたいなら、毎月それにどのくらい消費しているかをイメージし(食費と日用品で5万円など)、それらを購入できる店で、この商品券が使えるかどうかを事前に確認する。さらに、商品券を買うにしてもいつもの支出額を大幅に超えないことが大事だ。プレミアム分を使うことでいつもより家計費が節約できてこそ、有意義な使い方ができたといえるからだ。

●端数は潔く諦める

 プレミアム商品券はおつりが出ない。そのため、使うときはなるべく端数が出ないように買いたいが、なかなかぴったりとはいかない。もし1000円分の商品券を使おうとして、買い物の合計額が950円だったらどうするだろう。いや、900円だったら? 「もったいないからあと一品見つけて買おう」と考える人は危険だ。1000円の券を使うために、わざわざ1000円以上の欲しくない買い物をすることになるからだ。既にプレミアム分を手に入れているのだから、その端数には潔く目をつぶり、無駄な買い物は避けた方がいい。ちなみに、筆者は「デジたんたん券」が600円ほど残ってしまったが、無理に買い物をするのは諦めた。

●期限ぎりぎりまで残さない

「ポイント貧乏」にも通じるが、「もうすぐ期限が切れます」と言われると、とにかく使い切ることに気持ちが動いてしまう。それこそ、あってもなくてもいいものを買ってしまいかねない。期限に追われないよう、いつでも財布やカバンに入れておき、必要なときに使えるようにしたい。先に書いたが、「必需品に使う」「季節で必要になるものを買う」など、何に使うかのイメージを作っておくことは、その意味でも大事だ。なお、2022年度の自治体プレミアム券は2月末、3月末に期限が来るものが多い。くれぐれも計画的に使ってほしい。

 ほとんどのプレミアム商品券は、「申込制で一度しか買えないこと」「先払いで払い戻しが不可なこと」「期限が過ぎたら無効になること」と複数のトラップを持つ、おトクと見えて厄介なものだ。くれぐれもご注意を。

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
15段落目:1万円分買うと1万7000円分が上乗せされる。→1万円分買うと7000円分が上乗せされ、1万7000円分が使える。
(2023年2月22日19:16 ダイヤモンド編集部)