半導体 最後の賭け#19Photo by Masato Kato

台湾積体電路製造(TSMC)の国内誘致と世界最先端の半導体の国産化を目指すラピダスの設立。二つの国策プロジェクトが動き始めたことで、政府の半導体戦略は新たなステージに入った。特集『半導体 最後の賭け』の#19では、自民党の半導体戦略推進議員連盟の事務局長を務め、半導体政策に詳しい関芳弘衆議院議員に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 村井令二)

経済安全保障と結び付いた半導体
米国はじめ有志国で戦略強化へ

――2021年5月に自民党で半導体戦略推進議員連盟(甘利明会長)が立ち上がったことで、経済産業省の半導体戦略は加速しました。政治サイドでは、どんな判断があったのでしょうか。

 自民党内に半導体の議連が立ち上がることになったきっかけは、21年4月の米国のバイデン大統領と菅義偉前首相の日米首脳会談で「半導体のサプライチェーンの強化」が話し合われたことです。

 これに強い関心を抱いた私はすぐに、外務省に首脳会談の詳細を問い合わせました。米国が日本に連携を呼び掛けたことで、半導体は国家にとってますます重要なテーマになったと痛感したのです。

 ところが、その当時は自民党内に半導体を専門的に議論する議連がありませんでした。1980年代の日米半導体摩擦が起きて以降、日本の半導体業界はすっかり疲弊していました。政府も経産省も堂々と半導体政策を取り上げにくかったという背景があったのではないでしょうか。

 そこで自ら議連を立ち上げようと、経済安全保障の議論をリードしている甘利明衆議院議員に相談に行ったのです。それが21年4月下旬のことでした。

 甘利氏の動きは早く、ゴールデンウイーク中に当時の安倍晋三前首相と麻生太郎副総理・財務相に議連の参加を取り付けてくれました。

 その結果、甘利氏が会長、私が事務局長という役割で、連休直後に半導体の議連を立ち上げることができた。安倍氏、麻生氏の2人が最高顧問になってくれたのは、政府の半導体戦略を後ろからぐいぐいと推し進める上で、大きな力になったと思います。

――これまで日本の国策半導体プロジェクトが成功した経験は乏しいです。それでも国家が主導して半導体戦略を推進する狙いはどこにあるのでしょうか。

米国バイデン政権から半導体サプライチェーンの強化が求められたことで、日本政府の半導体戦略は方向づけられた。果たして国策半導体戦略の狙いは何か。また国内半導体投資の資金が10兆円でも不足する根拠とは?関氏に、国家半導体戦略の行方を聞いた。