右利きは「右側」、左利きは「左側」に寝る

 誰かと一緒にいることは、就寝前と起床後にはメリットがある。

 しかし、「就寝前を共に過ごしてから、別々の寝室で眠る」のが理想的だ。

 邪魔をされずに睡眠を取り、しっかり回復した状態で起床してから、楽しい気分でパートナーと関わり、一日を楽しむ。

 人が一人で眠るのは自然なことだ。心身の発達する青年期からずっとそうしてきたのだ。将来的に、寝室にこの形態を取り入れることを考えてみてもいいだろう。

 理想的な睡眠ポジションは、利き手を上に(右利きの人は左脇を下に)した「胎児姿勢」。こうすることで、強いほうの手足で心臓などの臓器と生殖器を守っているという心理的な安心感が得られる。

 一人で眠るときは、ベッドのどこで眠るかは気にしなくてよいが、パートナーが加わると事情が少し複雑になる。自分に適した向きがあるからだ。ベッドの足元に立った位置から見て、右側が右利きに適した位置、左側が左利きに適した位置だ

 右利きと左利きのカップルがこの位置を取ると、二人とも睡眠に適したポジションを取りつつ、背中合わせになるので、目の前に睡眠を妨害するものがなくなる。この点では右利きと左利きのカップルは相性がぴったりといえる。

 二人とも利き手が同じ場合、どちらか一人が正しくない位置で眠ることになる。右利きが左サイド(または左利きが右サイド)だと、顔がベッドの内側、つまりパートナーの背中のほうを向くことになるため、睡眠をさまたげられる可能性が出てくる。だからといって同じ位置でベッドの外側を向くと、利き手を下にして眠ることになる。

 もっとも、睡眠を基準にパートナーを選ぶわけにもいかない。

 こういう場合は、正しくない位置で寝ている人が楽に眠れるように工夫しよう。

 最も効果的なのは、寝室に入る「最大サイズのベッド」を使うこと。夜中に寝返りをうったり起きたりすると、パートナーは自分のほうを向いている可能性が高いため、相手の眠りをさまたげやすい、という意識を持とう。

(本原稿は『世界最高のスリープコーチが教える究極の睡眠術』より抜粋して掲載しています)