ジョブ型雇用のメリットを日本流にアレンジ
海外での経営経験が長い飯田さんの発案とあって、JPデジタルのスクラムは、ジョブ型雇用の利点を日本企業向けにアレンジしたもののようにも思える。
(※ジョブ型雇用とは、必要な職務内容に対して、その職務に適したスキルや経験を持った人を採用する雇用方法のこと。職務を決めずに新卒一括採用する日本のメンバーシップ型雇用と比較されることが多い)。
「アメリカのジョブ型雇用の場合、職務に対して期待されたパフォーマンスが出せなければ職を失うことになります。これは決してネガティブなことではなく、合わないならすぐに切り替えて、他社でパフォーマンスを発揮すればいいということ。企業にとっても本人にとっても、そのほうがハッピーです」(飯田さん)
JPデジタルの場合、職を失うことなく、向いている仕事、情熱を傾けられる仕事と出合えるまで何度もやり直せる。とはいえ、わずか一カ月で配置転換と言われたら、ちょっと落ち込んでしまいそうだが。
「一カ月で選手交代となると、『私がダメだったのかな』とショックを受けてしまうかもしれません。でも、それは違います。経営者である私のアサインメントが間違っていたんです。それに早く気づき、その人が一番力を発揮できる場所で思う存分活躍してもらえるよう、私たちは毎月適材適所になっているか確認し、スクラムに反映させているんです」(飯田さん)