「会った人をひと言ほめる」を徹底した経理社員が死去→葬儀で見た「驚きの光景」写真はイメージです Photo:PIXTA

会った人をいつも冗談で笑わせたり、何かを褒めたりする人は、あなたの周りにもいないだろうか。意識的に周囲の人に有意義な働きかけをしている彼らは、「メンター」の素質を備えている。若手を指導する立場にあるビジネスマンにとって、良きメンターとして他者の人生に良い影響を与える存在になるためには、どんな心掛けが必要なのかを解説する。※本稿は、前田康二郎『メンターになる人、老害になる人。』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋・編集したものです。

喜び慣れしていることは
メンターに最も必要な要素

 他者の成功や幸せを喜ぶことは、一見できそうで、実際にそのようなシチュエーションになるとなかなかできないように思います。

 たとえば仲の良い同期の1人が一番手で昇進したり、社長賞などをもらったりした時。

 本来なら喜ぶべきことなのに、「先を越されてしまった」「自分が一番先に社長賞をもらうつもりだったのに」「どうして自分じゃなくてあいつが……」と、相手が憎いわけではないのに、相手と自分とを比較して素直に祝ってあげられないこともあります。むしろ仕事熱心であればあるほど、そうした感情が出てくるほうが普通かもしれません。

 自分に良いことがあった時に「おめでとう!お祝いしようよ」と言ってくれる人は長く大切にしましょう。他者の成功を祝える人というのは、ご自身も現在進行形で仕事や趣味など何かに取り組んでいる方が多いので、他者の成功を「自分も負けていられないな」「〇〇さんがそこまでできるなら、自分ももっと頑張れるはず」と、自分自身の活動の原動力にしています。だから周囲に良いことがあったほうが、その人にとっても良いのです。

 そのような人は「喜び慣れしている」ので、一緒にいるだけでもとても前向きになれます。メンターとして最も必要な要素の1つであると思います。