ホッキョクグマの現在と未来

「野生のホッキョクグマ」が見られる旅行先とは?行き方や注意点を解説以前はエサとしていなかったスヴァールバル・トナカイを狙うホッキョクグマも現れた

 現在の生息数は2万数千頭と言われています。統計数字上では激減しておらず、ホッキョクグマは安泰だという説を唱える人もいますが、エサ不足から体格が小さくなっており、以前は捕食しなかったスヴァールバル・トナカイを襲う個体が現れたり、ロシアの村を定期的に訪れてゴミをあさったりする個体が現れています。

「野生のホッキョクグマ」が見られる旅行先とは?行き方や注意点を解説ノルウェーの沿岸の町ハンメルフェストにはホッキョクグマ協会があり、展示も見られる

 気候変動による海氷の消滅はホッキョクグマの狩場を奪うだけでなく、アザラシたちの子育て場所も奪っています。主食のアザラシが減少すれば狩りはますます難しくなります。また海洋汚染の影響で、食物連鎖の頂点にいるホッキョクグマが体内に有害物質を蓄え、寿命が短くなっているとも報告されています。生活スタイルを変えたり、狩りの方法や獲物を変えたりと、ホッキョクグマは環境に順応しようとしていますが、その将来は楽観的なものではないといえるでしょう。

「野生のホッキョクグマ」が見られる旅行先とは?行き方や注意点を解説

※本記事は『地球の歩き方』からの転載記事です。