手法1 ジェスチャーを使って雰囲気で伝える

 1つ目は「ジェスチャー」を使うやり方です。先ほどの「ちゃう(違う)」のような言葉であれば、「ジェスチャー」は非常に有効です。手を左右に振りながら、「ちゃうちゃう」と言えば、「ちゃう」の意味を知らない人にも「否定」の意味だと伝わります。

 ジェスチャーの場合は、わかりやすく表現することが大事です。はじめて聞く方言にもこちらが言いたいことがわかるよう、大げさに表現しましょう。

手法2 表情で意味を感じ取らせる

感情」を表す方言は「表情」で伝えるのが適しています。喜怒哀楽どれをとっても表情とセットにすることで意味は伝わります。知らない外国語でもおいしいものを食べたあとに笑顔で何か言われたら「なんだか喜んでいる」と意味がわかるのと同じでしょう。

「喜んでいるんだな」「嫌なことがあったんだな」と方言でも意味が伝わるように表情を意識しましょう。マスクなどで顔が隠れている場合も目から表情は伝わります。マスクがないときも同じように表情に手を抜かないようにしましょう。

手法3 方言のあとに一言添える

 複雑な方言を伝える場合に有効な手法が「一言添える」です。意味やニュアンスがどうしても伝わらない方言はあります。関西弁を例に出すと「どんつき」という言葉があります。関西出身の読者であれば、わかると思いますが、「行き止まり」を意味する言葉です。

 ジェスチャーで表現できる言葉でもなければ、感情を表す言葉でもありません。こういった場合は、「方言」のあとに一言添えましょう。

 添え方は「どんつきって『行き止まり』いうことですわ」とシンプルに伝えれば大丈夫です。きれいに翻訳できない言葉は、粘り強く説明するのもひとつの手です。

「無駄な時間なのでは」と思われるかもしれませんが、思考を遅らせているわけでも自分の方言を犠牲にしているわけでもないので、決して無駄な時間ではありません。「へぇ、そういうふうに言うんだ」と興味を持ってもらって、話が弾む有効なコミュニケーションの手段だと思います。

 これまで、相手にとってわかりやすくすることは重要ですが、それは自分が我慢をすればいいというものではありません。自分の個性を活かしながら相手に伝わる話し方を意識しましょう。