「工夫する」とは何をすればいいのか?

 さて、具体的に「工夫する」方法を考えるときのヒントとしては、まず、目の前の仕事を「Why」と「What」と「How」の3つに分けることから考えてください。

「Why」は志のようなものなので、「なぜ、その目標を達成するのか」ということなので、頻繁に変わるものではないと思います。「会社の売上に貢献するため」「自分のキャリアアップのため」などが挙げられます。

「What」は自身が置かれた状況によっては変わることがあります。営業職でしたら、「何を売るか」が変わることもありますし、マーケティング担当から営業担当に変わるようなケースもわかりやすい例でしょうか。

 そして、「How」を変えることこそ典型的な「工夫」と言えるでしょう。これまではAという営業手法を取り入れていたものの、A´やBの手法でやってみるというケースです。

 この「How」の領域は、それぞれの仕事によって、無数の種類、やり方が存在するかと思いますが、ここでは誰でもすぐに変えることができる1つのコツを紹介します。

 新入社員でも経験が浅い方でも、誰もが「工夫」できるのが「タスクの時間を短縮する」ということです。

 当然、あるタスクを同じクオリティで仕上げられるなら、時間が早い人に仕事を頼みたいと思います。

 たとえば「営業の提案書を作る」「プレゼン資料を作る」「契約書をチェックする」「販売データを分析する」など、日々の業務は尽きません。

 私は若手の頃、「とにかく各タスクの時間を記録する(計る)」ということを行っていました。「これは30分以上かかると思っていたけど、実際は20分で終わったな」というように、細かいタスクも含めて所要時間を洗い出し、データを積み重ねていったのです。

 それを分析してボトルネック(最大の阻害要因)を解決すれば、自ずとタスクを実行するスピードが上がり、早く終わるようになります(そして、浮いた時間は、別のことに使えます)。